この記事のポイント
資産運用をする上で知っておいて欲しいコア・サテライト戦略についてわかりやすく解説した記事です。
「コア・サテライト戦略」は資産運用の王道
ひとくちに資産運用と言っても、その運用手法はその人の経済的条件や年齢などによって様々なスタイルがあります。
その運用手法の中でも、もっとも有名なのが、
「コア・サテライト戦略」
という手法です。
この投資手法の特徴は、資産全体を「コア資産」と「サテライト資産」の2つに分けて、それぞれの資産に最適な投資スタイルを考え実践するというものです。
「サテライト」とは「衛星」という意味もありますので、下の図のように丁度真ん中に大きな星(コア資産)があり、その周りを回る衛星(サテライト資産)のような関係図を思い浮かべてみてください。
このように資産を分けて、「コア」の資産ではリスクを比較的抑えた「守り」の資産運用を、そして「サテライト」ではコアと比較してリスクを取って高いリターンを求めて積極的に「攻め」の資産運用をおこなうスタイルがこのコア・サテライト戦略です。
なお、保有している資産をどのぐらいの比率でコアとサテライトに分ければいいのかという点に関してですが、この配分比率は、許容できるリスクが人によって異なるので、誰にも共通した分割比率、というものはありません。
「コア」の部分の資産運用は「守り」ですので、中長期的な視点でかつ安定的に資産を着実に増やしていくことを目指します。許容できるリスクの範囲内で、資産をグローバルに、そして株式や債券などに幅広く分散して投資をすることで、リスクを相対的に抑えることが可能です。
このグローバル投資をおこなっている金融商品は、世の中に沢山ありますが、たとえばFOLIOのサービスですと、AI運用で好パフォーマンスを目指す「ROBOPRO」がこれに該当します。ROBOPROは、AIを駆使して40種類以上にわたる様々な先行指標を分析し、その分析データを使って8種類のETFの保有比率を変更することでリスクをコントロールして好パフォーマンスを目指している金融商品です。2020年1月15日にリリースされ、リリース日から2021年10月末まで運用していた場合の運用実績は現在で約+32.93%※となっています。
※ ROBOPRO運用実績について・サービス開始当初(2020年1月15日)から2021年10月29日まで、ROBOPROサービスに投資していた場合のパフォーマンスです。少数第3位以下を切り捨てています。運用手数料を年率1%(税込1.1%)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資したと仮定して計算しています。信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
その一方で「サテライト」の資産運用においては、「コア」の資産運用に比べて相対的にリスクを取って高いリターンを求めて積極的に「攻め」の資産運用をおこないます。
リスクを取って高いリターンを積極的に狙っていく投資というのは、例えば短期的なリターンを狙った国内外の個別株式への投資や不動産への投資、決まったセクターに限定し投資する投資信託、ビットコインなどの暗号資産への投資などが挙げられます。
つまり「コア・サテライト戦略」をまとめると、
・老後の資産形成など、10年〜30年という中長期的な視点に立った資産運用は、コアのポジションで「守り」の姿勢を保ちながら安定的に資産を着実に増やしていくことを目指す。
・コアと比較して相対的にリスクを取り高いリターンを目指す資産運用は、サテライトのポジションで比較的に「攻め」の姿勢で資産運用をおこなっていく。
ということになります。
「コア」の資産運用はなぜ中長期の視点が必要か?
「コア」での資産運用は、10年〜30年という中長期的な視点に立ったものであるというお話をしましたが、ではこの中長期的な視点での資産運用はなぜ必要なのでしょうか?コアの資産は、老後の資金など比較的大きな額を目指して投資をおこなう必要があるので、安定的な運用を心がけることが大切です。
ここで注目しておきたいポイントは、「時間と投資リスクの関係」です。下のグラフは、過去約30年間という期間において、全世界の株式に投資をした場合の、投資期間とリターン比率の関係を表したグラフです。
一番左の棒グラフは投資期間が1年の場合ですが、この場合だと、開始した時期によって58.9%の利益を得られる場合もあれば、逆に47.8%マイナスになってしまう場合もあることを意味しています。その隣は5年間投資を続けた場合の棒グラフですが、始めた時期によって159.6%の利益を得られる場合もあれば、逆に24.3%のマイナスになる場合もあります。次に10年続けた場合ですと、始めた時期によっては265.7%のリターンを得ることができた一方で、15%のマイナスになる場合もあります。そして最後に、15年続けた場合が一番右側の棒グラフですが、開始時期によっては最高で374.9%のリターンを得ることができ、また開始時期によっては少なくとも60.1%のリターンを得ることができたことを表しています。
ここで何をお伝えしたいかというと、1年という短期的な期間ですと運用のリスクが高いのですが、長期的な視点に立つと、そのリスクは軽減される可能性があり、好パフォーマンスが期待できるということです。ですから「コア」に置いている資産は、中長期的な視点に立った運用をおこなうことがとても大切なのです。