この記事のポイント
ROBOPROのようにドル建て資産に投資を行っている場合には、為替が円高になると、円建てでのリターンが目減りすることになります。 そのため、ROBOPROの利用を検討されているお客様や現在ご利用中のお客様のなかには、為替の影響で資産価値が下落してしまうことを心配される方もいらっしゃるかもしれません。では、円高局面ではドル建て資産への投資を止めるべきなのでしょうか。
結論としては、むしろ円高時だからこそドル建て資産への投資を行うのが良く、そのためにも為替の動きには一喜一憂せずに長期積立投資を続けるのが良いと考えています。本記事ではその理由を説明します。
円建てリターン=ドル建てリターン+為替変動の影響
まずは為替変動が円建てリターンに与える影響について、具体例で考えます。
1ドル=100円の為替レートのときに、100万円分の米国株式を購入したとします。このときドル建てでの取得価額は1万ドル(=100万円÷100円)となります。
この株式の価値はドル建てでは変わらず1万ドルだと仮定すると、為替レートだけが円高に振れて1ドル=50円となった場合には、円建ての評価額は50万円(=1万ドル×50円)と半減します。反対に円安に振れた場合には円建ての評価額は上昇することになります。
ROBOPROの投資対象資産はすべてドル建ての米国上場ETFのため、円建てでのリターンは為替変動の影響をダイレクトに受けます。
為替の動きよりも資産の成長力
そもそも為替の動きは、二国間の金利や物価等の差で説明されることが多いですが、為替レートはあくまで両通貨間の相対的な価値であるため、無制限に上がったり下がったりするものではなく、長期的には一定のレンジ内で上下を繰り返す傾向があります。
以下のグラフは2003年11月末~2023年11月末までの米ドル/日本円の動きを表していますが、この20年間の動きを見ても概ねレンジ内で動いていることが確認できます。
※グラフについて
・将来の傾向を示唆又は保証するものではありません。
・Bloombergが提供する米ドル/日本円 為替のデータを基にFOLIOにて作成したものです。信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。
一方で、一般に株式市場や不動産市場等の値動きは、為替市場の値動きよりも大きいため、為替の動きよりも運用パフォーマンスに与える影響は大きくなります。
例えば米国株式は、基本的に米国の経済成長に連動するため、長期的には右肩上がりとなる傾向があり、実際に2013年11月末~2023年11月末までの米ドル/日本円、S&P500(配当込み、米ドル建て)、世界株式(配当込み、米ドル建て)を確認しても、株価と為替の変動幅の差は一目瞭然です。
このように中長期での資産運用において重要なのは、短期的な為替の動き等に惑わされることなく、長期的な世界経済の成長を源泉とする株式等の資産価格の上昇をしっかりと捉えることです。
※グラフについて
・将来の傾向や投資収益等を示唆又は保証するものではありません。
・Bloombergが提供するS&P500(配当込み)、世界株(MSCI ACWI 配当込み)、米ドル/日本円 為替のデータを基に、2013年11月29日を基準としてFOLIOにて計算し作成したものです。信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。
円高が進むときこそ淡々と積立投資を
資産運用を行っていると、為替市場が大きく動くタイミングに遭遇することがあるかもしれません。しかし、一時的に円高となった局面は、海外旅行にかかる費用が円建てでは安く済むのと同じように、円資産でより多くの外貨資産を購入できる機会と考えることもできます。
ただし、為替市場は動きが速く、円安・円高に振れるタイミングを正確に予想することは非常に難しいため、為替市場の上下を気にすることなく淡々と積立投資することで、長い目で見れば、為替による影響を平準化する効果が期待できます。
ROBOPROでは積立機能をご用意しています。ぜひ木(為替の動き)ではなく、森(世界経済の成長)を見て、積立投資などを駆使してリスクを抑えながら、資産運用を継続していただければ幸いです。