「有事の金」で効率的にリターンを獲得

2023
11
30
12:00
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2023年10月、中東情勢の緊迫化を背景に安全資産の「金」の価格が大幅に上昇しました。また、同年3月に欧米で金融不安が広がった際にも、同様に「金」が買われ価格が大きく上昇しました。

今回の記事では、そのような環境下において「金」に投資していたROBOPROが2023年10月27日の投資配分変更で約1年越しに「金」を一部売却したことを踏まえ、2022年11月以降ROBOPROがどのように「金」に投資をしてきたのかを解説します。

「有事の金」として価格が上昇

2023年の年初来からの「金」の価格推移を振り返ると、主に2つの局面で大きく価格が上昇していたことが分かります。

1つ目の局面は、2023年3月に起きた欧米の金融不安を背景に価格が上昇した局面です。

同月上旬に米シリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻したことにより欧米諸国において金融不安が急速に広がり、短期間でリスク資産が大きく下落しました。特に、それ以前より経営不振にあった金融大手クレディ・スイス・グループの株価が過去最安値を更新するなど、収益基盤の弱い銀行株の下落が目立ちました。その一方で、安全資産として「金」が買われることとなりました。

2つ目の局面は、同年10月の中東情勢の緊迫化を背景に価格が上昇した局面です。

10月7日にパレスチナ暫定自治区ガザを実効支配しているイスラム組織ハマスがイスラエルに対して攻撃をしかけ、それに対してイスラエルが報復したことから大規模な戦闘となり、世界中で中東情勢に対する不安が広がりました。それを受け、金融市場において株式や不動産を中心としたリスク資産が売られ、相対的に安全資産とされる「金」が買われました。

このように2023年には、まさに「有事の金」と言われる所以を示すかのような局面がありました。

※1 グラフは、2022年12月30日から2023年10月31日までの「金(GLD)」のリターンの推移を円建てで表示しています。Bloombergのデータを元にFOLIOにて作成。将来の動向を示唆又は保証するものではありません。

なお、同期間においてROBOPROがどのように「金」を活用していたのかを振り返ると、以下のグラフのとおり、2023年の年初から「金」を30%保有し続けていたことがわかります※2。また同年4月以降は、やや積極的な一般的なロボアドバイザー※3と比べてリスク資産の割合を1~2割程度少なくし、リスクを抑えた運用を行っていました。

結果としては、ROBOPROと一般的ロボアドバイザーの同期間のリターンは概ね近しい水準※2,3,4となりましたが、ROBOPROにおいては同期間中、やや積極的な一般的なロボアドバイザーよりもリスクを抑えた運用を行っていたことを踏まえると、「効率的にリターンを獲得した」と捉えることもできます。

そして、その「効率的にリターンを獲得」できた一つの要因として挙げられるのが、まさに「有事の金」として大きく価格が上昇した「金」への投資配分を相対的に高めていた点です。※5

※2 ROBOPROの投資配分、運用実績について:投資配分の推移は、各月に適用される投資配分の変更時点(ex.2023年10月は2023年9月29日時点)の比率を示しています。毎月の投資配分の変更とは別に、臨時で投資配分の変更を実施している場合があります。運用実績は、実際にROBOPROに投資していたと仮定して計算した値です。(※4)
※3 一般的なロボアドバイザーの投資配分、運用シミュレーションについて:一般的な運用アルゴリズム(ノーベル賞を受賞した理論に基づき、金融機関において広く使われている平均分散法を採用。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出しており、リスク許容度はやや高めとし、5%~40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出)を用いて、ROBOPROと同じETFに分散投資を行ったと仮定したシミュレーション結果を示しています。(※4)
※4 運用実績および運用シミュレーション結果、並びにその計算方法:2022年12月30日から2023年10月31日の期間においては、ROBOPROは+17.32%、一般的なロボアドバイザーは+18.50%です(年率ではありません。小数第3位以下を切り捨てて表示)。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。ETFの価格をもとに、「(計算期間終了日時価/計算期間開始日時価)-1」で計算したものを%表示しています。運用手数料を年率1.1%(税込)徴収したと仮定して計算を行っています。リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益に係る税金は考慮していません。
※5 お客様ごとに拠出又は売却のタイミングが異なるため、「金」への投資配分を高めていたことにより、すべてのお客様がリターンを獲得できたことを意味するものではありません。

2022年11月から「金」の投資配分を高め、約1年越しで一部売却

ROBOPROにおける「金」への投資状況を遡ると、2022年11月11日に投資配分を変更した際に、投資配分を30%まで高め、それ以降配分を概ね維持していたことがわかります。

またその後、2023年10月27日の投資配分変更において、約1年越しで「金」を一部売却し、投資配分を約半分の16%まで減らしました。

なお、ROBOPROは、運用戦略上「金」の保有比率の上限値を30%と定めているため、約1年ほど上限値付近まで投資配分を高めていたことになります。(保有比率の上限値等の運用戦略の詳細はホワイトペーパーにてご確認いただけます。)

では、上記期間において、「金」を保有し続けていたことが、どのようにROBOPROのリターンに寄与したのでしょうか。

※6 ROBOPROにおける「金」への投資配分の推移について:各月に適用される投資配分の変更時点、および臨時リバランス時点の比率を示しています(ex.2023年11月は2023年10月27日時点)。毎月の投資配分の変更とは別に、臨時で投資配分の変更を実施している場合があります。

上記期間における「金」のリターンは+21.9%

以下のグラフは、ROBOPROが投資対象としている8つの資産の円建てのリターンの推移を示すもので、計算期間は、ROBOPROが「金」への投資配分を30%まで高めた2022年11月11日から、その投資配分を約半分の16%まで引き下げた2023年10月27日の投資配分変更時点までの約1年間です。

上記期間においては、最もリターンが大きかったのは「金」、次が「米国株式」という順位となりましたが、数値としては、首位となった「金」は他の資産のリターンを大幅に上回っていることがわかります。

もちろん短期的な局面(例えば2023年5~8月等の「金」の上値が重い期間)にフォーカスすると、「金」以外の資産のほうがリターンが大きかった局面もあり、またお客様ごとに運用を開始・終了するタイミングは異なるため、「金」に投資していたことが絶対的にプラスに寄与したと言えるわけではありません。

しかし当該約1年間を通してみると、ROBOPROのリターンへの影響度としては、「金」の投資配分を高めていたことが大きくプラスに寄与し、またそれがリスクを抑えながらリターンの獲得を目指す運用に繋がったといえます。

なお、2023年10月27日の投資配分変更にて「金」を一部売却した後の各資産の価格推移は以下のグラフのとおりで、「金」以外の資産は全てプラスリターンとなるなかで、「金」だけがマイナスとなっています。

「金」を一部売却した背景としては、中東情勢が悪化し金価格が過去最高値付近まで上昇してきたこと等から、割高感が高まってきたとAIが判断したものと考えられますが、現時点(2023/11/24時点)においては、売却したタイミングも適切だったと言えるのではないでしょうか。(AI予測の好事例のみを示しており、市場動向等によっては上記のような運用ができない場合があります。AI予測および運用実績は将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。)

※7 2022年11月11日から2023年10月27日まで、および2023年10月27日から2023年11月24日までの米国上場ETF(VTI、VEA、VWO、BND、HYG、 EMB、IYR、GLD)のリターンの推移を円建てで表示しています。Bloombergのデータを元にFOLIOにて作成。

「金」を有効活用し、リスクを抑えながらリターンの最大化を目指す

2023年3月には「欧米で金融不安」が、2023年10月には「中東情勢への不安」が金融市場に広がりました。今後も予期せぬ事態が起こり得る世の中であることを踏まえると、「リスクを抑えながらリターンを獲得する」ことを目指すうえでは、適切なタイミングで相対的に安全資産とされる「金」を活用することが有効な手段の一つとなると考えられます。

個人のお客様においては、「株式」などの伝統的な資産に投資する機会と比較すると、「金」などを投資対象とするコモディティ投資を実践される機会は少ないかもしれませんが、ROBOPROでは、AI予測に基づき「金」も含めた最大8つの資産に自動で分散投資を行うことができます。

ROBOPROは、今後も「リスクを抑えながらリターンを最大化」することを目指します。

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