リターンの高さだけでは測れない「燃費の良い」運用とは?〜株式にROBOPROを組み合わせるという考え方

2026
年
10
月
8
日
18:00
Points of Column

この記事のポイント

・長期の資産形成で重要になるのは、リターンの高さと同じくらい「最後まで続けられるか」という視点

・リスクを抑えられているかを測る指標が「シャープレシオ」と「最大ドローダウン」。過去の実績では、ROBOPROはこの2つで株式指数を上回る結果に

・乗り換えの検討は、解約(全部売却)以外にも「一部だけを動かして併せ持つ」という選択肢がある

目次

資産運用を続けていると、自分が保有していない金融商品やサービスがより高いリターンをあげていると聞いた際、自分が今運用している商品を止めて、そちらの商品に「乗り換え」ようと考えた経験はないでしょうか?

運用する商品を比較して選び直すこと自体は、投資に前向きに向き合っている証拠であり、決して悪いことではありません。

ただ、もし乗り換えの判断基準がリターンの高さだけであれば、一度立ち止まって考えていただきたいことがあります。

それは、特に将来のための資産形成のように着実に資産を増やしていく必要があるような長期の運用では、しっかりと「最後まで続けられること」が大切、という点です。
どれだけリターンの高い商品でも、途中の下落に耐えられずに手放してしまえば、そのリターンを受け取ることはできないからです。

本記事では、長期の資産形成で押さえておきたい「リスク」と「運用の効率」の考え方をご紹介します。そのうえで、より高いリターンを求めてROBOPROからインデックスファンドなどの株式資産への乗り換えを迷っている方に向けて、「すべて乗り換える」でも「すべて残す」でもない、もう一つの選択肢をデータとともにお伝えします。

リターンの裏側にある「リスク」にも目を向けてみる

長期的な資産形成で「最後まで続ける」ために大切なのは、いかにリスクを抑えて運用できるかという視点です。

20年、30年という長い運用期間の途中では、幾度も下落局面を迎える可能性が高く、リスク(値動きの振れ幅)が大きい運用ほど、投資の成果はタイミングに大きく左右されます。

たとえば、運用を始めた直後に大きな下落に見舞われて運用が嫌になってしまったり、資産を取り崩そうと考えたタイミングで資産が大きく目減りしてしまうことも起こり得ます。

ですから、将来の「子どもの教育費」や「老後に向けた資産」のように使う時期や用途があらかじめ決まっている資産については、リターンについてはもちろん、リスクのことも慎重に考える必要があります。

そこで役立つのが、リスクを踏まえて運用を評価する指標です。

リスクを踏まえて運用を評価する2つの指標〜「シャープレシオ」と「最大ドローダウン」

その代表的な指標が「シャープレシオ」と「最大ドローダウン」の2つです。

  • シャープレシオ……「どれだけリスクを取って、どれだけリターンを得られたか」の効率を測る指標。異なるリスク水準の金融商品のリターンを比較するときに使われ、数値が大きいほど投資効率が良いとされる。つまり数値がいいほど「燃費の良い」金融商品とも言える。
    リターンが同じ2つの商品なら、値動きの上下(=リスク)が小さいほうがシャープレシオは高くなり、「リターンの高さ」だけでなく「そのリターンをどれだけ安定して得られたか」を見る指標と考えられる。
  • 最大ドローダウン……ある資産の最大の下落幅を表す指標。運用期間中に、直前の最高値からどれだけ下落したかの最大値を示し、過去一番悪いタイミングで投資を開始してしまったとしたらどれだけ下がったことがあるかを表す。

以下のグラフは、ROBOPROが運用をスタートした2020年1月15日から2026年8月31日までの、ROBOPRO・S&P500(円建て・配当込み)・世界株式(MSCI ACWI、円建て・配当込み)のリスクとリターン、そしてシャープレシオと最大ドローダウンを表したものです。
横軸は年率のリスクで、右にいくほどリスクが高いことを表します。縦軸は年率のリターンで、上にいくほどリターンが高いことを表します。つまり左上にいくほど、リスクを抑えながら高いリターンで運用ができていた、つまり燃費の良い運用ができたことになります。

*ROBOPRO運用実績については、サービス開始当初(2020年1月15日)から2026年8月31日まで、ROBOPROサービスに投資していた場合のパフォーマンスです。運用手数料を年率1%(税込1.1%)徴収し、投資配分の変更は最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、投資配分の変更により再投資したと仮定して計算しています。分配金や投資配分の変更時の譲渡益に係る税金は考慮していません。
*グラフについて、 Bloombergが提供するS&P500(円建て・配当込み)および世界株式(MSCI ACWI、円建て・配当込み)のデータを基にFOLIOにて円換算して作成したものです。信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。シャープレシオについては小数第3位以下を、それ以外については小数第2位以下を切り捨てています。
*「年率リターン」「年率リスク」「最大ドローダウン」は、2020年1月15日から 2026年8月31日までの期間の日次リターンを用いて計算したものです。「年率リターン」については、幾何平均リターンを表示しています。シャープレシオの算出過程において、無リスク資産のリターンとして無担保コールレート(オーバーナイト物)を利用して計算しております。

まずリターンに注目すると、S&P500が23.7%、世界株式が21.4%と、18.8%のROBOPROを上回っています。リターン単体で見れば、ROBOPROは株式指数に及びませんでした。

一方でリスクの数値を見ると、S&P500は23.6%、世界株式は19.6%であるのに対し、ROBOPROは15.0%と低くなっています。その結果、シャープレシオはS&P500が0.96、世界株式が1.03であるのに対し、ROBOPROは1.18と、2つの指数より高い水準となりました。

最大ドローダウンについても、S&P500が-33.9%、世界株式が-33.7%であるのに対し、ROBOPROは-17.8%にとどまりました。下落幅が小さいほど、元の水準に戻るために必要な上昇率も小さくなります。この差によって、下落局面での心理的な負担を軽くし、運用を長く続けやすくなると考えられます。

ROBOPROと株式を併せ持つ、という選択肢

リスクに注目することが大切であるという点は理解したとしても、「それでも株式のリターンは魅力的」と感じる方は多いと思います。それは自然な感覚ですし、株式が魅力的な投資先であることも事実です。

であれば、ROBOPROか他の資産か「どららか一方」を選ぶ前に、「両方持つ」という選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。

以下のグラフの折れ線に注目してください。こちらは、ROBOPROと、S&P500および世界株式の組み合わせ割合の変化とシャープレシオの関係性を示したものです。

どちらの組み合わせでも、ROBOPROの比率を上げるほどシャープレシオは高くなり、最大ドローダウンは小さくなりました。

※ROBOPROのサービスリリース日(2020年1月15日)~2026年8月31日におけるROBOPROと米国株式(S&P500、(円建て・配当込み)および世界株式(MSCI ACWI、円建て・配当込み)の組み合わせによるシャープレシオ、最大ドローダウンを示したもの。毎年初に、定められた組み入れ比率になるようにリバランスを行っています。シャープレシオについては小数第3位以下を、最大ドローダウンについては小数第2位以下を切り捨てて表示しています。シャープレシオの算出過程において、無リスク資産のリターンとして無担保コールレート(オーバーナイト物)を利用して計算しております。
※「年率リターン」「年率リスク」「最大ドローダウン」は、2020年1月15日から 2026年8月31日までの期間の日次リターンを用いて計算したものです。「年率リターン」については、幾何平均リターンを表示しています。

たとえばROBOPROを7割、S&P500を3割持った場合、年率リターンは20.4%とS&P500単体(23.7%)よりやや下がります。一方で年率リスクは23.6%から16.8%へと、それを上回る幅で下がりました。その結果、シャープレシオは0.96から1.15に改善し、最大ドローダウンも-33.9%から-21.9%に縮小しています。リターンを少し譲る代わりに、リスクを大きく抑えられたことになります。

今回の検証におけるデータの上では、ROBOPROの比率が高いほど効率が良いという結果でした。ただ、「株式のリターンも取り入れたい」という思いがあるなら、ROBOPROをコア(中核)、株式インデックスをサテライト(補完)と位置づけた6:4や7:3といった配分を1つの考え方として検討してみてはいかがでしょうか。

なお、別の期間で検証した同様の考え方について、こちらのコラムでもご紹介しています。

解約の前に、「一部だけ動かす」という選択肢を

冒頭で触れた「リターンの良い他の資産にシフトしたい」という悩みは、実は解約(全部売却)をしなくても解消できます。ROBOPROの一部だけを売却し、その資金で株式インデックスなどに投資する。そして残りはROBOPROでの運用を続ける。「全部乗り換えるか、全部我慢して残すか」の二択のあいだにも、選択肢はあります。

そもそも、必要なリターンは目標から逆算して決まるものです。たとえば20年かけて資産を10倍にしたい場合、必要な年率リターンは約12.2%で、上述のS&P500の年率リターンの半分ほどの水準です(手数料や税金は考慮していません)。

むやみに高いリターンを追うのではなく、ご自身にとってどれくらいのリターンが必要で、そのためにどれだけのリスクを取るべきかを把握したうえで運用を組み立てることが、長い運用を支えてくれます。考えていく中で、そもそも売却しなくてもよいという結論になることもあるでしょう。

長期投資で大切なのは「続けられるかどうか」です。ROBOPROは、この期間のリターンでは株式指数を下回りましたが、下落を抑えられた分、運用の「燃費の良さ」を示すシャープレシオは高くなりました。リターンの良さだけで全部を乗り換えてしまう前に、ROBOPROを一定割合持ち続けるという選択肢を、もう一度検討してみてはいかがでしょうか。

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