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米国の強硬な関税政策等により、2025年2月から米国株式を筆頭に不安定な値動きを繰り返していた各国の株式市場は、4月2日に発表された相互関税がマーケット参加者の想定を大きく超える厳しい内容であったことから、急落しました。
マーケットには悲観的な見方も広がり、ROBOPROも4月の前半には相場変動の影響を受けて一時は大きく下落しましたが、ROBOPROのAIは株式に対する積極的な投資配分を維持し続けました。更に、臨時リバランスも含めた投資配分の変更により機動的に保有資産の比率を調整した結果、2025年5月12日には最高値を更新しました。
本記事では、ROBOPROがトランプ関税ショックに直面してもいち早く最高値を更新した理由をご説明します。
トランプ関税ショックで大きく下落も、約3か月で最高値更新
直近約3か月のROBOPROの実績を、ROBOPROがトランプ関税ショック前の高値を付けた2月12日を基準として、主にS&P500(円建て)と比較しながら確認します。
2月の後半に米国で軟調な経済指標が発表され、カナダ・メキシコ・中国に対する強硬な関税政策が示唆されたこと等でS&P500は下落を始めました。
一方でROBOPROは株式を比較的多く組み入れていたものの高値を更新し続けた金の保有もあり、相対的に下落幅を小さく抑えることができました。そして、相互関税が発表された4月に、S&P500が最大で22.02%下落した際にも、ROBORPOは最大下落幅を13.39%に抑えています。
相互関税の追加部分の一時停止が発表された後に、株式市場は回復基調となりましたが、ROBOPROは株式市場の下落に合わせて株式資産の組み入れを引き上げていたため、回復局面でも上昇に追従することができ、米中が関税の引き下げに合意した5月12日には、2月12日を基準としてS&P500が-6.84%、世界株式が-4.01%、一般的なロボアドバイザーが-2.62%に留まるなか、最高値を更新することができました。
すなわち、トランプ関税ショック下で、ROBOPROは下落幅を抑制しつつ回復局面でのリターン獲得に成功したということができます。

※1 過去の実績は将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。AI予測の好事例のみを示しており、市場動向等によっては上記のような運用ができない場合があります。
※2 ROBOPRO運用実績について、表示している期間において、ROBOPROサービスに投資していた場合のパフォーマンスです。
※3 「一般的なロボアドバイザー」の運用シミュレーションについて、「一般的なロボアドバイザー」とは、利用者がリスク許容度に応じて設けられている複数の運用コースの中から一つのコースを選択し、一般的な運用アルゴリズム(ノーベル賞を受賞した理論に基づき、金融機関において広く使われている平均分散法を採用。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出)を用いて自動で運用を行う投資一任サービスのことを指します。本運用シミュレーションは、一般的な運用アルゴリズムでROBOPROと同じETFを運用したと仮定したシミュレーション結果です。リスク許容度はやや高めとし、5%~40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出しています。
※4 ※2、※3の計算について、運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益に係る税金は考慮していません。(5月12日時点の円建て価格/2月12日時点の円建て価格)-1」で計算した騰落率を%表示しています。グラフ上で表示している割合は年率ではありません。
※5 折れ線グラフについて、「ROBOPRO」「一般的なロボアドバイザー」「S&P500」「世界株式(MSCI ACWI)」について、2025年2月12日を基準としてFOLIOにて計算し作成した円建ての推移を表示しています。各株式指数はBloombergが提供する配当込みデータを基にFOLIOにて計算し作成しています。信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。
荒れ相場の中でも積極性を維持しつつ、機動的に配分を変更
トランプ米大統領による関税政策で荒れ模様となった相場を、ROBOPROはどのような投資配分で乗り切ったのか、局面毎に確認します。
<米国株式を中心とした下落が始まった2月から3月>
ROBOPROは2月に下落した場面はあったものの堅調に推移した金や新興国株式を多く保有し、米国株式をわずか3.5%組み入れるのみでした。3月は米国株式を増やしましたが、金や新興国株式を比較的多く持ち続けたことが下落幅を抑える結果となりました。
<特に米国株式が大きく下落した4月>
米国株式と新興国株式を中心に株式資産だけで8割弱とする積極的なポートフォリオで4月を迎えたことはパフォーマンスを押し下げることとなりました。しかし、4月10日に実施された臨時リバランスでは先進国株式を増やし、結果的に株式資産の中で最も回復が早かった先進国株式の保有が上昇に貢献しました。
<米中が関税引き下げに合意した5月>
米国は5月8日にイギリスと貿易協定に関する合意に至ったと発表し、5月12日には中国と関税率を互いに115%引き下げる合意(24%分は90日間の停止)に至ったと発表しました。米国の関税政策を巡る対立が緩和方向に向かっていること等から米国株式は上昇を始め、反対にリスク回避を目的とした資産が流入して高値圏にあった金はわずかに下落しました。
ROBOPROは米国株式が下落するにつれてその比率を徐々に増やしてきており、5月の投資配分では関税に関する合意が発表される前に米国株式を50%にまで引き上げました。そして、4月から比率を減らし始めた金は8.2%の保有にとどめています。これらのことが、回復局面でのリターン獲得に寄与し、ROBOPROは5月12日に高値を更新することができました。


すなわち、ROBOPROは2月から4月の下落局面では相対的に値下がりの小さかった資産を上手く組み入れ、4月の臨時リバランス以降は相対的に値上がりの大きかった資産の比率を高めて運用することができたといえます。
※ 過去の実績は将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。AI予測の好事例のみを示しており、市場動向等によっては上記のような運用ができない場合があります。
※ 投資配分に関する帯グラフについて、2025年1月は2024年12月27日、2025年2月は1月29日、2025年3月は3月3日、2025年4月は3月28日、2025年5月は4月30日のそれぞれの変更時点の比率を示しています。2025年4月は、通常の変更に加えて4月10日に臨時リバランスを実施しました。各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があります。ただし、2025年4月10日の米国債券については小数第2位まで表示しています。
※折れ線グラフについて、「ROBOPRO」とROBOPROが投資対象としている「米国株式」「先進国株式」「新興国株式」「金」につき、2025年2月12日を基準としてFOLIOにて計算し作成した円建ての推移を表示しています。(※2、3、4)なお、金の騰落率については投資対象としている2つの米国ETFの騰落率を投資配分変更時の最適比率に応じて加重平均して算出しています。
相場変動時にこそ感情に左右されることなく冷静に運用の継続を
米国の関税政策については各国との交渉が継続しており、今後も神経質な値動きは続くと予想されます。しかし、このような大きな変動の最中にいる時ほど、冷静に長期の目線で分散投資を継続することが重要だと考えます。
ROBOPROは今後もAIによる将来予測を活用して機動的に投資配分を変更するほか、相場変動に際しても感情に左右されない合理的な判断を行い、リターンの最大化を目指します。また、月に1度のリバランスに加えて、相場の変動が大きくなったと判断された際には臨時でリバランスを行い、その時々に応じた投資配分へと変更します。
是非、不安定な局面こそROBOPROで運用を継続いただけると幸いです。