ROBOPROは、どのように2024年夏の下落局面を乗り越えたのか?

2024
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14
15:00
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ROBOPROはAIを活用した将来予測に基づき、投資対象である最大8資産への投資配分を大胆に変更させながら、あらゆる相場に対応することを目指した資産運用サービスです。

2024年7月〜8月は、世界の株式市場が大きく下落したのに加えて、米国長期金利の低下に伴い円高・ドル安が進行しました。

しかしROBOPROはそのような難しい局面でも下落幅を相対的に抑制することに成功して、その後10月15日には下落前の高値を更新しました。

本記事では、ROBOPROがどのように2024年夏の下落局面を乗り越え、主要な株式指数等と比べて早く高値を更新したのかについて、FOLIO金融戦略部シニア・アドバイザーである井上輝彦が解説します。

井上 輝彦(いのうえ てるひこ)株式会社FOLIO 金融戦略部 シニア・アドバイザー。1980年代から、アナリスト・ファンドマネジャーとして年金資金や投資信託の運用に従事。 2006年から大手資産運用会社にて株式運用部長を務める。 現職では、ROBOPROの運用分析やお客様向けの解説等を担当。

世界的な株安と円高の局面で下落幅を抑えたROBOPRO

司会:
井上さん今回もよろしくお願いします。前回はROBOPROの投資配分変更の効果について解説していただきました。今回は、2024年7月〜8月の世界的な株安および円高局面において、ROBOPROがどのような運用をおこなってきたのかについて解説をお願いします。

井上:
こちらこそよろしくお願いします。以下のグラフは2024年7月10日から8月30日における米国株式の代表的な指標であるS&P500と、米国の半導体関連銘柄で構成されるSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)、そして日本の株式市場の代表的な指標であるTOPIXおよび為替(米ドル/日本円)の推移です。

以下の通り、株式市場では、米国景気のリセッション入りへの懸念から株式市場が大きく下落し、特にSOX指数が期間内で最大25.03%下落するなど、これまで相場を牽引していたハイテク関連株が大きく下落しました。また米ドル/日本円 為替は、7月末の日銀の利上げと米国の9月のFOMCでの利下げ期待から日米長期金利差が縮小したこと等で大幅に円高が進行し、最大10.82%円高・ドル安に振れました。

※ グラフはBloomberg社が提供するデータを基にFOLIOにて作成したものです。S&P500、SOX指数、TOPIXは、それぞれ現地通貨建ての終値を用いています。2024年7月10日を起点とした表示期間までのS&P500、TOPIX、SOX指数、米ドル/日本円の騰落率を表しており、各数値は小数第3位以下を切捨てて表示しています。

司会:
米国株式や日本株式もかなり下落したのですね。円高もかなり進行したようなのですが、このような市況においてROBOPROはどのようなパフォーマンスだったのでしょうか?

井上:
ROBOPROは、今回の下落局面においては、円高の進行、株式市場の下落にもかかわらず8月末で-2.76%の下落に留まりました。これは一般的なロボアドバイザーと比較すると約5%、米国株式の代表的な指標であるS&P500との比較では約6%下落幅を抑えることができたということです。

※1 過去の実績は将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。AI予測の好事例のみを示しており、市場動向等によっては上記のような運用ができない場合があります。​
※2 ROBOPRO運用実績について、表示している期間において、ROBOPROサービスに投資していた場合のパフォーマンスです。​
※3 「一般的なロボアドバイザー」の運用シミュレーションについて、「一般的なロボアドバイザー」とは、利用者がリスク許容度に応じて設けられている複数の運用コースの中から一つのコースを選択し、一般的な運用アルゴリズム(ノーベル賞を受賞した理論に基づき、金融機関において広く使われている平均分散法を採用。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出)を用いて自動で運用を行う投資一任サービスのことを指します。本運用シミュレーションは、一般的な運用アルゴリズムでROBOPROと同じETFを運用したと仮定したシミュレーション結果です。リスク許容度はやや高めとし、5%~40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出しています。​
※4 ※2、※3の計算について、運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益に係る税金は考慮していません。(2024年8月30日時点の円建て価格/同年7月10日時点の円建て価格)-1」で計算した騰落率を%表示しています。グラフ上で表示している割合は年率ではありません。​
※5 折れ線グラフについて、「ROBOPRO」「一般的なロボアドバイザー」「TOPIX」「S&P500」「世界株式(MSCI ACWI)」について、2024年7月10日を基準としてFOLIOにて計算し作成した​ 円建ての推移を表示しています。各株式指数はBloombergが提供するデータを基にFOLIOにて計算し作成しています。信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、​完全性等について保証するものではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。​

司会:
なるほど。ここで一つ聞きたいのですが、なぜROBOPROはこのように下落幅を抑制することができたのでしょうか?

不動産と金、米国債券の保有が奏功し下落を抑制

井上:
ではここで、ROBOPROが、4月から10月にかけてどのように投資配分を変更しながら運用してきたかについて注目してみましょう。

以下の棒グラフは、2024年4月から10月の期間において、ROBOPROがどのような資産をどのくらい保有しながら運用をおこなってきたかの推移です。

ポイントとしては以下の3つです。

①ROBOPROは4月から金利低下のメリットを受ける不動産の保有を始めており、7月には不動産の保有が47.8%と、全体のほぼ半分にまで引き上げていた。

②また、6月から7月にかけては不動産、金および米国債券の3資産のみで運用をしており、7月中旬からの米国株式の大幅下落に巻き込まれなかった。

③米国株式については、8月の投資配分として15%の保有を開始しており、9月の投資配分では36.5%まで組み入れを引き上げており、株式のリバウンドに備えていた。

※投資配分の推移は、各月に適用される投資配分の変更時点(ex.2024年10月は2024年9月30日時点)の比率を示しています。毎月の投資配分の変更とは別に、臨時で投資配分の変更を実施している場合があります。

下のグラフは、2024年6月末から11月1日までのROBOPROが投資している各資産の騰落率です。

※ 騰落率グラフは、表示期間における各資産の価格を円建ておよびドル建てでそれぞれ比較したものです。各資産の計算は、「(計算期間終了日時点の資産額/計算期間開始日時点の資産額)-1」で行っています。将来の傾向や運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
※ ドル建て資産、円建て資産、ドル/円 為替の数値は、小数第3位以下を切り捨てて表示しています。​

ご覧のように、この間ROBOPROが主に投資していた不動産、金の騰落率はドルベースでは二桁台、またこの間円高が進行したにもかかわらず円ベースでもプラスとなっております。
この結果、ROBOPROは、一般的なロボアドバイザーと比較しても下落率を抑制することができました。

司会:
なるほど、4月から不動産の保有を開始し、7月末までは米国株式を保有せず、8月から徐々に米国株式の保有を開始することで、米国長期金利低下メリットを受け、合わせて株式市場の下落の影響を避けることができたということですね。

ちなみに7月の頭から円高・ドル安が進行し、9月の中旬には1ドル140円をつける場面などもありましたが、ROBOPROでは、円高・ドル安傾向に対してはどんな行動をとったのでしょうか?

米国の長期金利低下局面におけるROBOPROの円高対応とは?

井上:
ROBOPROでは、過去の円高局面においても特段の円高対応、例えば、円資産に退避するとか為替ヘッジ等は行っておりません。投資対象資産の長期的な成長性と比べると、為替の変動性がパフォーマンスに与える影響は軽微であると考えられるためです。

さて、ここでは参考までに過去において米国の長期金利が低下し、円高が進行する局面において、各資産がどのような動きをするかについてお話します。

以下のグラフは、2018年8月31日から2024年9月30日の期間における、米国の長期金利の推移とROBOPROが投資対象としている8つの資産(米国株式、先進国株式、新興国株式、米国債券、ハイイールド債券、新興国債券、不動産、金)の推移です。

そしてこの期間において、米国の長期期間が低下した期間をケース1〜5とし、5つの期間を分析してみました。グラフがかなり細かいので、イメージだけでもお掴みください。

※ 本資料は、過去の特定の時点において投資していたETFについて解説するものであり、 実際にROBOPROが投資するETFは、投資一任契約に基づき投資運用業者であるFOLIOが適宜選定するため、記載日以降も同一銘柄が選定されることを示唆又は保証するものではありません。 ​
※ 本グラフは、2018年8月31日を起点とし、米国株式(VTI)、先進国株式(VEA)、新興国株式(VWO)、米国債券(BND)、ハイイールド債券(HYG)、新興国債券(EMB)、不動産( IYR)、金(GLD)のそれぞれの配当金再投資ベースのドル建ての価額につき、日次の累積収益率を表示したものです。また、米国10年債利回り、米国FF金利誘導目標値についても、同様に日次の終値を表示しております。データについては、Bloomberg等が提供する数値を用いて、FOLIOにて計算し作成したもので、信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、 情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。​
※ 本データは将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。​

司会:
ケースは図の緑の部分で、合計5つの期間ですね? この各ケースにおける各資産の収益率を比較したということでしょうか?

井上:
そうですね。以下の表は5つのケース期間において、その期間における長期金利(米国10年債)の利回りの低下幅、為替の変動率、そしてROBOPROが投資対象としている8資産うち、比較的収益率が高かった金、不動産、新興国債券の数値を示したものです。

※ 本資料は、過去の特定の時点において投資していたETFについて解説するものであり、 実際にROBOPROが投資するETFは、投資一任契約に基づき投資運用業者であるFOLIOが適宜選定するため、記載日以降も同一銘柄が選定されることを示唆又は保証するものではありません。 ​
※ 本グラフは、前掲のケーススタディ1~5の開始時点と終了時点の米国10年債利回り、円ドルレート、並びに当該期間における米国株式(VTI)、先進国株式(VEA)、新興国債券(EMB)、不動産( IYR)、金(GLD)のそれぞれの配当金再投資ベースのドル建ての価額につき、日次の累積収益率を表示したものです。また、データについては、Bloomberg等が提供する数値を用いて、FOLIOにて計算し作成したもので、信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、 情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。なお、各数値は小数第3位以下を切り捨てて表示しています。
※ 本データは将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。

これを見ていただくとおわかりになるかと思いますが、米国の長期金利が低下し、円高が進む期間において比較的パフォーマンスの高い資産は、不動産、金、そして新興国債券という傾向があることがわかります。

今回の7月からの円高局面では、この経験則通り、不動産、金を中心にした投資配分で対応いたしました。

なお、ROBOPROが投資対象としてる8つの資産の収益率は、本文の最後に「ご参考」として掲載しております。

司会:
なるほど、ROBOPROは為替が大きく変動する中でも、比較的パフォーマンスの良い資産を中心とした投資配分をおこなっていたということですね。

井上:
ROBOPROは米国ETFを投資対象としているため、為替の影響を受けますが、適切と考えられる投資配分で運用を行うため為替の影響については憂慮する必要はないと考えています。

なお、こちらのコラムでは、短期的な為替の動き等に惑わされることなく、長期的な世界経済の成長を源泉とする株式等の資産価格の上昇をしっかりと捉えることが、中長期での資産運用において重要であることを説明しています。

夏の下落相場を乗り越えて高値を更新したROBOPRO

井上:
そしてROBOPROはそんな夏の下落局面を乗り越えて、2024年10月15日には高値を更新し、11月1日には+100.64%となりました。

以下はROBOPROがサービスを開始した2020年1月15日から2024年11月1日までの累積リターンの推移を表したグラフです。

※当該実績は過去のものであり、将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。本文および図中で表示している割合は年率ではありません。数値は小数第3位以下を切り捨てて表示しています。
※ROBOPROの運用実績は、運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、投資配分の変更は最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、投資配分の変更時に再投資したと仮定して計算しています。分配金や投資配分の変更時の譲渡益に係る税金は考慮していません。計算は円建てで、算出は資産評価額/当初投資額-1で行なっています。

司会:
100.64%ということはつまり、サービスをスタートさせた時点から運用を始めていたら、その投資額が約2倍になったということですね。

井上:
また、以下のグラフは、S&P500や世界株式が円建てで下落局面前の高値を記録した2024年7月10日から11月1日までのS&P500、世界株式、TOPIXおよびROBOPROと一般的なロボアドバイザーの推移を表しています。

S&P500および世界株式が11月1日時点では7月10日の高値を更新していないのに対して、ROBOPROは10月15日の時点でそれまでの高値(7月16日)を更新しているのがわかります。

※ 過去の実績は将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。AI予測の好事例のみを示しており、市場動向等によっては上記のような運用ができない場合があります。
※ ROBOPROの運用実績および一般的なロボアドバイザーの運用シミュレーションは、運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、投資配分の変更は最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、投資配分の変更時に再投資したと仮定して計算しています。分配金や投資配分の変更時の譲渡益に係る税金は考慮していません。計算は円建てで、算出は資産評価額/当初投資額-1で行なっています。​
※「ROBOPRO」「一般的なロボアドバイザー」「TOPIX」「S&P500」「世界株式(MSCI ACWI)」の各グラフについて、2024年7月10日を基準としてFOLIOにて計算し作成した円建ての推移を表示しています。各株式指数はBloombergが提供するデータを基にFOLIOにて計算し作成しています。信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。

司会:
2024年の夏は世界的に株式を中心に大きく下落したにもかかわらず、ROBOPROは他の株式指数および一般的なロボアドバイザーと比較して不動産や金の保有比率を多くすることで下落幅を抑えて運用し、10月15日には高値を更新できたということですね。

今後も、AIによる相場の予測に基づいた投資配分で運用をおこなうROBOPROに期待したいです。今回もありがとうございました。

(ご参考)ケース1〜5の米国長期金利低下局面における、ROBOPROが投資対象としている8つの資産の収益率

※ 本資料は、過去の特定の時点において投資していたETFについて解説するものであり、 実際にROBOPROが投資するETFは、投資一任契約に基づき投資運用業者であるFOLIOが適宜選定するため、記載日以降も同一銘柄が選定されることを示唆又は保証するものではありません。 ​
※ 本グラフは、前掲のケーススタディ1~5の開始時点と終了時点の米国10年債利回り、円ドルレート、並びに当該期間における米国株式(VTI)、先進国株式(VEA)、新興国債券(EMB)、不動産(IYR)、金(GLD)のそれぞれの配当金再投資ベースのドル建ての価額につき、日次の累積収益率を表示したものです。また、データについては、Bloomberg等が提供する数値を用いて、FOLIOにて計算し作成したもので、信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、 情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。なお、各数値は小数第3位以下を切り捨てて表示しています。 ​
※ 本データは将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。​

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