ROBOPROの投資配分変更は本当に効果があるのか?

2024
8
20
10:00
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ROBOPROは、AI(人工知能)を活用して金融市場を予測しながら、投資対象である8つの資産の比率を大胆に変更することで、パフォーマンスの最大化を目指す資産運用サービスです。

今回はROBOPROの「大胆な投資配分の変更」が、運用パフォーマンスにどのようなメリットをもたらしているのかについて、FOLIO金融戦略部シニア・アドバイザーである井上輝彦が解説します。

井上 輝彦(いのうえ てるひこ)株式会社FOLIO 金融戦略部 シニア・アドバイザー。1980年代から、アナリスト・ファンドマネジャーとして年金資金や投資信託の運用に従事。 2006年から大手資産運用会社にて株式運用部長を務める。 現職では、ROBOPROの運用分析やお客様向けの解説等を担当。

AI予測を活用して、機動的に投資配分を変更

司会:
ROBOPROはAIを活用した資産運用サービスということなのですが、具体的に教えてください。

井上:
ROBOPROはAIで相場を予測し、市場環境の変化に合わせて8種類のグローバル資産の投資配分を機動的に、時には大きく変更することで、効率的にパフォーマンスを獲得することを目指すおまかせ型の資産運用サービスです。

司会:
ちなみに、どれくらいの頻度でまたどれくらいガラッと投資配分を変更するのでしょうか?

井上:
頻度は原則毎月1回です。また、どれくらい投資配分を変化させるかは各回で異なり、大胆に配分を変更する場合もありますが、逆に敢えて大きく変更しない場合もあります。

司会:
投資配分を大きく変更しない場合もあるんですね。

井上:
投資配分を変更することが自体が目的ではなく、景気循環や金融環境の変化の兆しを捉え、あらゆる相場に対応することが目的ですので、その時々の相場の状況を踏まえて最適と考えられる投資配分で運用を行っています。

ROBOPROの投資配分変更の効果をどう計算するか?

司会:
ROBOPROが定期的に投資配分を変更しながら運用していることはよくわかりました。ただ、その投資配分の変更が本当にパフォーマンスに寄与しているのかを知りたいです。

井上:
それではROBOPROによる投資配分の変更が、効果を発揮しているのかを分析した結果があるので、そちらを使って解説していきましょう。

効果を検証する方法として、過去に実施した投資配分の変更について、次の変更までのひと月の間の投資配分の変更効果を検証することで、投資配分の変更が良かったのか、あるいはそのときの投資配分のまま変更せずに運用を継続していたほうが良かったのかを比較したデータがあります。まず以下のグラフみてみましょう。

※ 1 本資料は、 Bloombergが提供する市場のデータやROBOPROのデータを用いてFOLIOにて作成したものです。  ​
信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。​
※2 将来の傾向や投資収益等を示唆又は保証するものではありません。

このグラフは、コロナショックで株式や不動産等のリスク資産が大きく下落した直後の2020年3月19日に実施した、ROBOPROの投資配分変更とその効果を表したものです。ROBOPROの各投資対象資産(米国株式、先進国株式、新興国株式、米国債券、ハイイールド債券、新興国債券、不動産、金)の組入比率の増減およびパフォーマンスと配分変更効果をグラフにしています。

司会:
もう少し詳しく教えてください。

井上:
では、右から2番目の緑枠の部分に注目してください。 「不動産」を例に挙げて①〜④の数値について解説します。(なお、当時ROBOPROでは、米国REITに投資するためにiシェアーズ米国不動産ETF(IYR)に投資を行っていました。)

①0.00%……前回の投資配分変更(2020年2月18日)における不動産の組入比率。(オレンジ色)

②12.50%……今回の投資配分変更(2020年3月19日)における不動産の組入比率。(紫色)

③+12.50%……前回と今回で不動産の組入比率がどのぐらい変わったか(増減幅)。(灰色)

④13.29%……投資配分を変更した2020年3月19日から約1か月後の4月20日(次回の投資配分変更日)までの期間における不動産の騰落率。(緑色)

司会:
この数値はどういう意味なのでしょうか? 詳しく教えてください。

井上:
当時の背景も含めてご説明しますと、まず①ですがコロナショック前の投資配分変更(2月18日)の段階では、リスクの高い株式や不動産の下落を予測して、不動産資産の組入比率を0.00%としていました。
次に②ですが、3月19日の変更では市況の回復を予測して、不動産の組入比率を12.50%まで高めています。この結果、3月19日の投資配分の変更による不動産の組み入れの増加幅は③の+12.50%となります。
そして④の折れ線グラフは、次の投資配分変更日である4月20日までの間に不動産(IYR)の価額は13.29%上昇したということを表しています。

司会:
上記グラフの見方はよくわかりましたが、結果として、投資配分の変更がROBOPROのパフォーマンスにどれだけの効果を与えたかについては、どのように確認すれば良いのでしょうか?

井上:

その点については、「組入比率の増減幅(③)」と「騰落率(④)」をかけ合わせることで求めることができます。例に挙げた不動産について言えば(緑枠)、その値は1.66%となり、その分だけパフォーマンスにプラスに寄与した、ということになります。

そして、同じように8資産すべてにおいてその効果を計算し、全資産の効果を集計したものが上のグラフの一番右側にある「全体効果」と記載した値です。つまり、2020年3月19日の投資配分変更は、2月18日の投資配分を変更せずに維持した場合のパフォーマンスに比較して、1.28%のプラスの影響を与えることができた、ということになります。

司会:
なるほどです。そういう意味では、コロナショックの最中に行われた投資配分変更は、効果的だったということでしょうか?

井上:
はい。繰り返しになりますが、2020年3月19日から4月20日までの期間の運用においては、2月19日の投資配分変更時点の比率を維持するよりも、投資配分を変更したほうが1.28%上回る結果となり、ROBOPROの投資配分変更の判断は正しかった、ということになります。

ROBOPROの投資配分変更の勝率は◯◯%

司会:
2020年3月19日の投資配分の変更の効果については理解できましたが、ROBOPROの運用期間を通じての投資配分変更の効果はいかがでしたでしょうか?

井上:
はい、それについては、同様の検証方法に基づいてROBOPROが過去に全ての投資配分変更について分析しています。ROBOPROはサービス開始以来、2024年5月31日までに54回投資配分の変更を実施しました(臨時の投資配分変更を含む。直近の投資配分の変更はこのデータに使うには効果が算出できない関係で2024年5月29日の変更は除いて53回で分析)。
53回の投資配分変更のうちで、「全体効果」がプラスだったのが35回、一方で全体効果がマイナスだったのが18回という結果になりました。

評価全体効果比率
投資配分の変更効果がプラス35回 66.04%
投資配分の変更効果がマイナス18回33.96%
合計53回100.00%
※ 1 本資料は、 Bloombergが提供する市場のデータやROBOPROのデータを用いてFOLIOにて作成したものです。
​信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。​
※2 将来の傾向や投資収益等を示唆又は保証するものではありません。
※3上表の検証は2024年5月29日のリバランスを除く53回で検証しております。 

司会:
なるほど、その右横の比率というのは何を示しているのでしょうか?

井上:
これは、今回考える投資配分の変更回数(53回)のうち、その変更の効果がプラスだったのが約66%、変更の効果がマイナスだったのが約34%ということを表しています。
つまりおおむね3回中2回の投資配分の変更はプラスに寄与して、3回中1回の投資配分の変更はマイナスに影響したということになりますから、ROBOPROの投資配分変更の判断は相当精度が高く、パフォーマンスに大きく寄与してると言えるでしょう。
私も長きにわたりアナリスト・ファンドマネージャーを経験してきましたが、この約66%でプラスというのはかなり高い確率であると評価しています。

司会:
66%というのは高い確率なのでしょうか? AIを活用しているので100%の確率かと期待していました。

井上:
66%でも十分高いと思います。観点は異なりますが、世の中のアクティブファンドの約9割は参考となる指数に負けているなどと言われる程、プロの投資家でも相場を予測しながら上手に運用するのは難しいのです。

司会:
なるほど、ROBOPROの投資配分の変更がパフォーマンスに寄与していることがよくわかりました。今回もありがとうございました。

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