ROBOPROの2023年を振り返る

2024
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2023年の金融市場は前半、世界的な金融引き締めにより景気減速懸念が高まり、株式は軟調な動きとなりましたが、後半に米国経済が想定外の底堅さを示すと、経済のソフトランディング(軟着陸)への期待と利下げ観測の高まりから、米国株式を中心に急速に上昇するなど、市場心理が悲観から楽観へと移り変わる振り幅の大きい一年でした。

このような環境下において、AI投資で好パフォーマンスを目指すROBOPROは、2022年12月30日~2023年12月29日の1年間で+18.50%※1と大幅なプラスリターンとなりました。また同期間に一般的なロボアドバイザー+23.58%※2となりました。

※当該実績は過去のものであり、将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。本文およびグラフ上で表示している割合は年率ではありません。計算は円建てで、(資産評価額/当初投資額-1)で行なっています。
※1 ROBOPRO運用実績について
2022年12月30日から2023年12月29日までAI投資 ROBOPROサービスに投資していた場合のパフォーマンスです。小数第3位以下を切り捨てています。運用手数料を年率1%(税込1.1%)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資したと仮定して計算しています。
※2 一般的なロボアドバイザーについて
比較対象としている「一般的なロボアドバイザー」の数値は、一般的な運用アルゴリズムでROBOPROと同じETFを運用したと仮定したシミュレーション結果です。一般的な運用アルゴリズムとして、ノーベル賞を受賞した理論に基づいており、金融機関においても広く使われている平均分散法を採用しています。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出しており、リスク許容度はやや高めとし、5%~40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出しています。本シミュレーションにおいては、運用手数料を年率1%(税込1.1%)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資すると仮定して計算しています。小数第3位以下を切り捨てています。

2023年のマーケットを振り返る

米国の代表的な株式指標であるS&P500は1年で+24.2%(米ドル建て)と、2022年1月に付けた史上最高値に迫る水準まで上昇しました。また日本の代表的な株式指標であるTOPIXも+25.0%と「アベノミクス」への期待が高まった2013年以来の大幅上昇となりました。

このように株式市場が好調だった2023年ですが、決して一年を通じて順風満帆だったわけではなく、2023年3月~5月頃には米国で金融機関の破綻が相次ぎ、欧米で信用収縮の懸念が一時的に高まったり、10月に中東情勢への不安が高まったりしたことで、軟調な動きとなる局面もありました。

しかし、物価や雇用などの経済指標が徐々に落ち着きつつあることが確認され、将来の利下げと経済のソフトランディングへの期待が高まったことで市場はリスク選好的となり、米国株式を中心に比較的リスクが高い資産が上昇傾向となりました。

年末にかけては、金融引き締めからの転換への期待がさらに高まり、市場心理が改善したことで、米国長期金利が急速に低下した一方、米国株式は過去最高値付近まで上昇して、2023年を終えました。

※グラフは将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
各資産のリターンについて、2022年12月30日から2023年12月29日まで、米国上場ETF(米国株式は「VTI」、先進国株式は「VEA」、新興国株式は「VWO」、米国債券は「BND」、ハイイールド債券は「HYG」、新興国債券は「EMB」、不動産は「IYR」、金は「GLD」)のデータを用いて(計算期間終了日時点の円建て資産額/計算期間開始日時点の円建て資産額-1)で行っています。数値は小数第2位以下を切り捨てています。

2023年のROBOPROの運用を振り返る

2023年のROBOPROの投資配分には、主に次の2つの特徴がありました。

  1. 年間を通じて、金への投資配分が相対的に高かった
  2. 年間を通じて、米国株式を積極的に保有しなかった一方で、新興国株式への投資配分が相対的に高かった

この2つの特徴について、市場動向と合わせて振り返ります。

※各月に適用される投資配分の変更時点(ex.2023年12月は2023年11月30日時点)において目標とする値であり、実際の運用では市場変動等の影響により表示の数値と乖離が発生します。 なお、毎月の投資配分の変更とは別に、臨時で投資配分の変更を実施している場合があります。小数点第2位以下を切り捨てて表示しているため、合計が100%にならない場合があります。

1.金への投資により株価調整局面で下落幅を抑制

ROBOPROは、2023年年初から金への投資配分を上限である30%(※3)程度で維持しました。これは、2022年11月11日の投資配分変更時に金を30%保有して以来の傾向であり、2023年10月27日に半分程度に減らすまで続きました。

この2022年11月11日から2023年10月27日における各投資対象資産の累積リターンを確認すると、以下のグラフに記載の通り、金は+21.9%と首位となり、次点であった米国株式の+9.4%を大幅に上回りました。

特に米国株式等との差が開いたのは、欧米で金融不安が高まった2023年3月と中東情勢で地政学リスクが高まった2023年10月でした。市場のリスク回避姿勢が高まる局面で株式等が下落する中、一般に「安全資産」とされる金に資金が流入したことで逆行高となりました。

ただし、この約1年間において、常に金の騰落率が上位だったわけではありません。例えば、2023年6月には株式等が大幅高となった一方で、金は相対的に低位な伸びに留まったことで、8つの投資対象資産の中で、同月のリターンは最下位となりました。しかし、そのような局面でも大きなマイナスリターンとはならず、約1年に渡り比較的安定した動きを保ちながらも、市場の不安が高まった局面で大きく差を拡大できたことが好パフォーマンスに繋がりました。

結果として、ROBOPROが株式市場の過熱感を警戒して、金を保有していたことが奏功したと考えられます。

※3 ROBOPROでは、金の保有比率に0%以上30%以下という制約を設けています。各アセットの保有比率制約については、ホワイトペーパーで公開しています。
※ AI予測の好事例のみを示しており、市場動向等によっては上記のような運用ができない場合があります。AI予測および運用実績は将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
※グラフは、 Bloomberg社が提供する米国上場ETF(米国株式は「VTI」、先進国株式は「VEA」、新興国株式は「VWO」、米国債券は「BND」、ハイイールド債券は「HYG」、新興国債券は「EMB」、不動産は「IYR」、金は「GLD」)のデータを用いて作成したものです。信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。

2.米国株式の相対的な割高感から、新興国株式にシフト

ROBOPROは、2023年年初には米国株式を4割以上組み入れていましたが、徐々にその比率を減らした一方で、新興国株式の比率を増やしました。

2023年の米国株式市場は大幅に上昇しましたが、その中身を確認すると、一部の巨大IT企業の株価が急速に上昇したことが要因で、決して全体の動きではなく、市場内で乖離が広がる構造となっていました。

※グラフは、米国株式は「VTI」、先進国株式は「VEA」、新興国株式は「VWO」のBloomberg社が提供するデータを用いてFOLIOにて作成したものです。
※信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。将来の傾向等を示唆又は保証するものではありません。

このパフォーマンスの乖離は、米国株式市場内だけではなく他市場との比較でも見られました。特に新興国株式市場との間で目立つようになり、米国株式には相対的に割高感が強まった一方で、新興国株式には割安感が醸成されました。ROBOPROが投資配分を米国株式から新興国株式にシフトを強めた背景には、このような市場環境があると考察しています。

短期的にパフォーマンスが悪化しても、中長期的に好パフォーマンスを目指す

ROBOPROは、2023年は一般的なロボアドバイザーを下回るパフォーマンスとなりましたが、実は、過去にも、リターンが連続して一般的なロボアドバイザーを下回った局面も経験しています。

以下は2021年8月から2022年2月までのROBOPROと一般的なロボアドバイザーの累積リターンと両者の月間リターンの差を表したグラフです。ROBOPROは、2021年8月から12月まで月間リターンが一般的なロボアドバイザーを下回りました。

しかし、2022年1月に米国株式が約5%下落する比較的大きな調整局面となった際に、米国株式市場のリスクを回避するような投資配分としていたことから、ROBOPROは下落を抑制することができ、累積リターンでも一般的なロボアドバイザーと逆転しました。

※AI予測の好事例のみを示しており、市場動向等によっては上記のような運用ができない場合があります。AI予測および運用実績は将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
※ROBOPRO運用実績については、2021年7月30日から2022年2月28日まで、ROBOPROに投資していた場合のパフォーマンスです。運用手数料を年率1%(税込1.1%)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益に係る税金は考慮していません。
※一般的なロボアドバイザーの運用シミュレーションは、一般的な運用アルゴリズムでROBOPROと同じETFを運用したと仮定したシミュレーション結果です。一般的な運用アルゴリズムとして、ノーベル賞を受賞した理論に基づいており、金融機関においても広く使われている平均分散法を採用しています。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出しており、リスク許容度はやや高めとし、5%〜40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出しています。運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益に係る税金は考慮していません。
※グラフ内に記載した米国株式の下落幅については、Bloombergが提供するS&P500(配当込み、円建て)のデータを用いて、 2022年1月の1か月間の騰落率を計算しています。

このようにROBOPROは、特に下落局面での耐性を発揮することで相対的に好調な累積リターンを確保してきており、下落後の反転局面でもリターンの獲得を目指すのも特徴です。また、もし上手く対応ができなかったとしても、機械学習による予測モデルの改善に期待できます。

実際に、ROBOPROがサービスを開始した2020年1月から2023年12月までの約4年間における主要ロボアドバイザーのパフォーマンスを比較すると、ROBOPROは年率リスクを11.87%に抑えた一方で、年率リターンは13.59%となり、他のロボアドバイザーを上回る結果となりました。そして、リスクに対するリターンの比率で運用の効率を表すシャープレシオは1.14と、最も高い値となりました。

※上のグラフは、各社が「情報開示の更なる向上に関する共同宣言」に基づき開示している運用実績に係る情報をもとに、FOLIOにて作成したものです。 各サービスのリスク・リターン(年率)については、2020年1月末~2023年12月末までの月次リターンにかかる運用実績データ(円建て、コスト控除後)を基にFOLIOにて算出した値であり、各社が展開する複数の運用コースのすべての値を表示しています。なお、リスク(年率)については、月次リターンの標準偏差を年率換算した値を用いています。信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。
※ROBOPRO、おまかせ投資のリスク・リターンについては、2020年1月末から2023年12月末まで、ROBOPROサービスとおまかせ投資サービスに投資していた場合の運用実績をもとに算出された当該期間のリスク・リターンを、年率換算した数値を示しています。なお、運用実績を算出するにあたっては運用手数料を年率1.1%(税込)を徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。算出は円建てで、分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益にかかる税金は考慮していません。シャープレシオの計算において、無リスク資産のリターンは0としています。
※グラフ内の数値は小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。

2024年も、引き続き欧米および日本の金融政策の動向に注目が集まっていますが、それに加えて米大統領選をはじめ、世界で70以上の国と地域で国政選挙が実施される予定となっており、その結果次第では世界経済もその影響を受ける可能性があります。米国経済や中国経済の行方、各地で高まる地政学リスクなども注視する必要があります。

今後も短期的にパフォーマンスが悪化する局面はあるかもしれませんが、このような不透明な市場環境の中、ROBOPROは分散投資が目指す「リスクを抑えながらリターンも獲得する」という運用を守りながら、中長期的に好パフォーマンスとなることを目指してまいりますので、引き続きご愛顧の程お願い申し上げます。

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