「行動ファイナンス」から考える、ROBOPROで資産運用をするメリット

2025
3
12
10:00
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ROBOPROは、AI(人工知能)を活用し相場を先読みしながら、対象としている8つの資産の比率を機動的に変更し好パフォーマンスを目指す金融サービスです。

今回のコラムでは、「行動ファイナンス」をキーワードに、非合理的な行動を取ってしまう人間と、合理的な運用を目指し続けているROBOPROの違いをテーマにROBOPROで運用するメリットについて、FOLIO金融戦略部の井上輝彦が解説します。

井上 輝彦(いのうえ てるひこ)株式会社FOLIO 金融戦略部 シニア・アドバイザー。1980年代から、アナリスト・ファンドマネジャーとして年金資金や投資信託の運用に従事。 2006年から大手資産運用会社にて株式運用部長を務める。 現職では、ROBOPROの運用分析やお客様向けの解説等を担当。

「非合理で感情的な人間」を前提とする行動ファイナンス

司会:
井上さん、今回もよろしくお願いします。今回は、ROBOPROで運用するメリットを「行動ファイナンス」の視点からお話しいただける、ということなのですが、そもそも「行動ファイナンス」とは聞き慣れない言葉ですね。

井上:
一言で申しますと、「人間というのはお金に関して合理的な行動を取ろうとするが、時に非合理で感情的になる」という考えのもとでROBOPROを通して資産運用について考えてみましょう、というお話です。

司会:
なんだか面白そうですね。

井上:
もともとは「意思決定」と「その過程における人間の非合理で感情的な行動」に関して研究をしていたアメリカの心理学者であるダニエル・カーネマン氏が、2002年にノーベル賞を受賞した考えに基づいたものです。これが発端となり、行動ファイナンスは金融業界で注目されるようになりました。

司会:
意外にも新しい考え方なのですね。驚きました。

井上:
行動ファイナンス理論が登場する前は、「伝統的ファイナンス理論」と呼ばれる考え方が一般的でした。これは、「投資家は常に合理的な判断をする」という前提のもとでの考え方で、大きく以下3つに分けられます。

司会:
少々難しいですね。もう少しわかりやすく教えて下さい。

井上:
つまり、投資家(人間)というのは常に自分の行動や感情を完璧にコントロールすることができ、得ることのできるあらゆる情報を理解して意思決定することができ、そしていつも一貫性を持って投資判断をすることができる、ということです。
でもよく考えてみてください。世の中にこんな完璧な人間はいると思いますか?

司会:
少々現実離れしていますよね。

井上:
はい、こんな完璧な人間はいません。人間は迷ったり感情に左右される生き物ですし、世の中にあるすべてのデータを吸収・理解して、常に一貫性を持った意思決定をできる人間なんて存在しません。

司会:
確かにそうですね。例えば大きく下落した相場に直面すると怖くなって資産運用を止めたくなる感情が働いたりしますよね。

井上:
ですから、理想の投資家の姿ではなくて、ありのままの投資家の姿を基準にファイナンスについて考えましょうというのが「行動ファイナンス」の指針で、この行動ファイナンスの考え方から、ROBOPROの運用についてご説明します。

代表的な5つの「非合理的な行動」パターンとROBOPROの対応

井上:
人間は合理的でない行動(非合理バイアス)を取り、そのパターンはいくつもあるのですが、ここでは代表的な5つのパターンを具体例も交えてわかりやすくご説明しつつ、ROBOPROと比較してみましょう。

司会:
よろしくお願いします。

5つの代表的な非合理バイアス① 群集心理

井上:
まず1つ目は「群集心理」です。

司会:
群集心理というのは、多くの人々と同じ行動を取ることによって安心感を抱いてしまい、自分の意思が薄れて周囲に同調したり他の人の行動を真似してしまう心理ですよね?

井上:
はい、そうです。「バスに乗り遅れるな」という言葉を聞いたことありませんか?
投資の世界で言うと「今乗らないと(参加しないと)間に合わなくなるよ」というニュアンスで使われます。投資の世界の場合は、「みんなが買っているから自分も買う」「みんなが売っているから自分も売る」という状況で、例えば1989年から1990年代初頭にかけての日本における株式市場のバブルや、1999年から2000年にかけてアメリカで起きたITバブルなどが具体例です。

司会:
なるほど、聞いたことがあります。

井上:
一方で、ROBOPROの場合、AIが40種類以上の指標を分析することで将来予測を行い、その予測に基づいて最適と考えられる投資配分を決定しています。そこに他の投資家の行動という情報は含まれないので、「誰々が買ったからこの資産を買おう」「今みんなが売ってるからこの資産は売ろう」という意思決定はしません。時には市場の大多数の意見と異なる投資配分を行ったりして、それが結果的に上手く行った事例も少なくありません(こちらの記事も是非ご参考ください)。

5つの代表的な非合理バイアス② 自信過剰

司会:
次の非合理バイアスは「自信過剰」ですか?自分の知識や能力に過度な自信を持つことですよね。

井上:
はい、そうです。資産運用の世界ですと、特定の銘柄に集中投資を行うなど自分の情報分析力や経験を過信してしまい、結果的に損失を生んでしまうことを自信過剰のバイアスといいます。

司会:
ROBOPROの場合はAIを活用しているので、自信過剰になるとかはないですよね?

井上:
そうですね。仮に高い期待リターンが予測されたとしても、適切なリスクコントロールをおこなうので、過剰にリスクを取るような運用は行いません。たとえばROBOPROは最低でも二つ以上の資産に分散投資を行う仕組みになっているので、一つの資産だけに集中して運用をすることはしません。

5つの代表的な非合理バイアス③ 損失回避

司会:
次の非合理バイアスは「損失回避」なのですが、これはどういう意味ですか?

井上:
人間は利益を得ることよりも損失を被ることに過敏に反応しがちです。投資においても、これから成長する可能性があるのに、少し下落してしまうと不安になって売却して利益を確定しまう。そんな行動を取りがちです。
一方のROBOPROは、今保有している資産がどのくらい含み損益があるのかということは判断の材料には含めておらず、シンプルに将来の期待リターンおよびリスクを考慮して投資配分を決めています。その結果、損失回避というバイアスの影響を受けることのない投資判断が可能なのです。

5つの代表的な非合理バイアス④ アンカリング

司会:
アンカリングというのは少々聞き慣れない言葉です。

井上:
「アンカー(anchor)」というのは英語で「船のいかり」の意味で、認知バイアスの一種なのですが、日常生活でもよく見かけます。たとえばスーパーなどに行って、1,000円の商品値札に赤線が引かれてて「半額の500円」と書かれているとお得感を感じますよね。つまりある事柄を判断する時に、最初に提示されている特定の情報が強く印象に残ってその後の判断に大きく影響を与えることをアンカリングと言います。

投資の世界でのアンカリングとは例えば、自分が保有していた資産が過去に高値をつけたときの印象を強く受けて、その後その資産が下落しても「いつか上がるだろう」と売らずにずっと保有をつづけてしまうことです。
繰り返しになりますが、ROBOPROは将来の期待リターンとリスクに基づいて投資配分を決めているので、過去の高値に固執してしまうようなことはなく、アンカリングというバイアス抜きに投資判断をおこなえます。

5つの代表的な非合理バイアス⑤ 確証バイアス

司会:
最後は「確証バイアス」ですが、これも聞き慣れないです。

井上:
これは、自分の思い込みを肯定する情報や自分にとって都合がいい情報ばかりを集めてしまう行動です。血液型占いは良い例で、「A型の人は几帳面」という思い込みがある場合には、本当はそうではない面もあるのにもかかわらず、A型の人の几帳面な行為ばかりに着目してしまい、結果として占いが当たっているという確証を強めてしまいがちです。

司会:
そういうのは日常生活でもよく聞きますね。

井上:
投資の世界でも、自分にとって都合の良い情報だけを鵜呑みにし、それに反するデータや事実を無視してしまい投資のパフォーマンスが悪化してしまう、ということが起こりがちです。しかしROBOPROの場合は、日々更新される膨大なデータを毎日分析し評価をおこない重要性を判断していますので、確証バイアスとは無縁に投資判断をすることが可能になっています。

ROBOPROで非合理バイアスを排除し、安心して長期投資を

司会:
これまでの井上さんのお話を聞いていると、人間はつい合理的でない行動を取ってしまいがちですが、ROBOPROで運用すれば、そのようなバイアスの影響を受けることなく資産を運用できるということですね。

井上:
はい、人間の場合はどうしても感情的になったり思い込みなどから非合理的な行動を取ってしまい、それが良からぬ方向に向いてしまいがちですが、AIを活用するROBOPROでの運用はそのようなバイアスを一切排除し、いつも冷静でデータに基づいた情報を活用して運用をおこなっています。
ROBOPROで資産運用を続けることで、不要なバイアスに巻き込まれずに、皆様には安心して長期の投資を続けていただきたいと思います。

司会:
今回もありがとうございました。

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