臨時リバランス

<ROBOPRO 2024年11月 臨時リバランスの投資配分(11月7日変更実施)>米国株式と金の一部を先進国株式と不動産に振り分け、より積極的な配分に

2024
11
8
18:00
Points of Rebalance

今回の投資配分変更のポイント

2024年11月初旬の世界の株式市場を振り返ると、現地時間11月5日に米国の大統領選の投開票が行われ、勝利を確実なものとしたトランプ氏が減税や規制緩和を進めるとの期待感から、米国や日本の株式市場を中心に急上昇しました。一方で中国や欧州等では、トランプ氏が掲げる関税引き上げによる景気への悪影響が意識される形で、下落しました。

また、関税引き上げ等によるインフレや減税政策の維持・拡大等による財政赤字の拡大が想起され、米国金利が急激に上昇しました。為替は米国長期金利の上昇等を受けて日米金利差が拡大し、円安・ドル高となりました。

このような投資環境下において実施されたROBOPROの2024年11月 臨時リバランス(11月7日変更実施)の投資配分を解説します。

ROBOPROにおける臨時リバランスは、複数のマーケットデータから市場が変動の高い局面に入ったと定量的に判断される場合に実施されます。米大統領選の結果を受けて、株式や不動産等の比較的リスクが高い資産の中でも上昇と下落の方向感が入り混じる展開となったと同時に、一般的に安全資産とされる金が大きく下落しました。2024年8月の株式市場の下落時は通常の調整の範囲内と判断されたものと思われますが、今回は金が相対的に大きく下落したこと等も通常時とは異なる局面であるとの判断に影響し、臨時リバランスが発動したものと考えられます。

米国株式と金が減少、不動産が増加、先進国株式が新規に組み入れられる

今回の投資配分の変更では、米国株式と金の比率が減少した一方で、不動産の比率が引き上げられ、新たに先進国株式を17%組み入れました。結果的に、米国株式、不動産、金、先進国株式の4資産を中心(上記4資産の合計が98.9%)としつつ、ハイイールド債券をわずかに保有するポートフォリオとなりました。

※上記投資配分について、2024年7月は6月28日、2024年8月は7月29日、2024年9月は8月29日、2024年10月は9月30日、2024年11月は10月29日のそれぞれの変更時点の比率を示しています。
※円グラフおよび帯グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があります。

米国株式、不動産、先進国株式の3資産で7割強とする、より積極的な投資配分へシフト

AIの予測の変化と最適ポートフォリオの更新

今回の投資配分の変更時におけるAI予測(8つの資産の将来のリターンに関する予測)では、全体としてはマーケットの見通しがやや改善する方向への変化が見られました。

前回10月29日時点の見通しとの主な変化を見ると、先進国株式等の見通しが改善した一方で、米国株式や金等の見通しは後退しました。また不動産については見通しを概ね維持しました。

資産別のリターンに関する予測の水準をみると、見通しが改善した先進国株式だけでなく、前月比で見通しが後退した米国株式や金においても、引き続き相対的に優位な結果が期待できるとの見通しは維持しました。

そしてその予測を踏まえてポートフォリオの最適化を行った結果、米国株式、不動産、先進国株式を合計で7割強保有して、前回と比べてより積極的な投資配分としました。

ポートフォリオの変更を踏まえてのFOLIOによる考察

今回、臨時で実施した投資配分の変更においては、米国株式を減らして不動産を増やしつつ、新たに先進国株式を組み入れて、株式や不動産からなるリスク性資産の比率を高めたことで、積極的な傾向をより強めました。

この変更は、米大統領選前から上昇を続けていた米金利の影響を比較的大きく受けていると考えられます。

一般的に、金利上昇時には、株式や金利の付かない金は投資妙味が低下する傾向があります。

米国株式の保有比率については、市場全体では米国での利下げ局面が続くと見込まれているものの、米大統領選でトランプ氏が勝利し、関税引き上げ等によるインフレや減税政策の維持・拡大等による財政赤字の拡大が想起され米国金利が上昇したことを受け、高値圏まで上昇して割高感が強まっている米国株式の投資妙味が低下し、減少させたと考えられます。

先進国株式は、株式資産の中でも相対的に軟調な動きを続ける中で米国に先行して金融緩和を進めている国が多く、米国株式や新興国株式と比べて割安感が強い環境にありました。その中で、上述の通り、米国株式の投資妙味が低下し、また米国金利の上昇が新興国からの資金流出を招き新興国株式には逆風となる可能性が浮上し、先進国株式を新たに組み入れたものと考えられます。

また金については、比率は減少させたものの、一般的に安全資産とされ、市場の混乱時にも高い分散投資効果を発揮する傾向があるため、引き続き一定の保有を続けポートフォリオ全体のバランスをとっているといえます。

ROBOPROの投資配分の変更は基本的に月一回行われていますが、今回は市場の変化に対応した臨時リバランスを実施しました。

次の投資配分の変更は2024年11月29日の予定です(臨時リバランスが行われ、日程が前倒しされる可能性があります)。

2024年10月の運用実績は近く公開予定のパフォーマンスレポートでお伝えいたします。

ROBOPROのセミナーも開催しています。

ROBOPROではAIによる予測技術を利用して最新のポートフォリオを提供しています。また、マーケット状況を踏まえたROBOPROの運用状況や投資配分の解説などについて詳しく知りたい方は是非セミナーにもご参加ください。

ROBOPRO’s Rebalance

ROBOPROの投資配分の変更とは?

ROBOPROは、米国の金融商品取引所に上場している8種類のETF(米国株式、先進国株式、新興国株式、米国債券、新興国債券、ハイイールド債券、不動産、金)の中から銘柄を選定し、相場予測に基づき投資配分を原則月1回の頻度で変更しています。加えて、相場の急変時には臨時に投資配分の変更を行う場合があります。

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