今回の投資配分変更のポイント
2024年6月の世界の株式市場を振り返ると、米国ではFRB(米連邦準備制度理事会)が年内の利下げ見通しを後退させたことが重石となったものの、経済指標の鈍化等を受けて市場の利下げ期待は根強く、ハイテク株等が上昇を牽引して堅調に推移しました。一方で欧州では特にフランスにおける政情不安が嫌気される等で、また中国では欧米との関係悪化懸念や国内景気の不透明感等で軟調な推移となりました。
為替は、米国金利の低下期待が後退したことで、日米の金利差が当面縮まらないとの見方から円安・ドル高が加速し、一時1ドル=161円台まで円安が進み、1986年12月以来の歴史的水準を更新する場面もありました。
このような投資環境下において実施されたROBOPROの2024年7月(6月28日変更実施)の投資配分を解説します。
不動産が大幅増加、米国債券と金は減少
今回の投資配分の変更では、不動産の比率が大幅に増加した一方で、米国債券と金の比率は減少しました。前月と同様にその他の資産は組み入れられず、結果的に、不動産、米国債券、金の比率順に3資産を保有するポートフォリオとなりました。
※上記投資配分について、2024年2月は1月29日、2024年3月は3月1日、2024年4月は4月1日、2024年5月は4月30日、2024年6月は5月29日、2024年7月は6月28日のそれぞれの変更時点の比率を示しています。
※円グラフおよび帯グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があります。
不動産の比率を5割弱まで増やして期待継続、全体では攻守のバランスをとった投資配分に
AIの予測の変化と最適ポートフォリオの更新
今回の投資配分の変更時におけるAI予測(8つの資産の将来のリターンに関する予測)では、全体としてはマーケットの見通しが改善する方向への変化が見られました。
前月と比較して、株式(米国株式、先進国株式、新興国株式)を中心に見通しが改善しました。また、不動産と金の見通しについてはやや後退したものの、依然として株式との比較では優位な見通しを維持していました。
そしてその予測を踏まえてポートフォリオの最適化を行った結果、比較的リスクが高い資産である不動産を全体の半分弱組み入れ、米国債券を3割弱、金を2割強保有するような投資配分としました。
ポートフォリオの変更を踏まえてのFOLIOによる考察
今回の投資配分の変更においては、不動産を全体の5割弱まで増やした一方で、米国債券と金を合わせて約5割保有しており、攻めと守りのバランスをとった投資配分としました。
まず不動産を保有する背景としては、2024年年初来では不動産が比較的軟調な推移を示しており、概ね上昇基調を続ける株式と比較して割安感が相対的に高まっていることが挙げられます。実際に直近1~2か月では徐々に上昇に転じてきており、過去の事例においては、米国金利の低下局面で、不動産が米国株式等の上昇幅を超えた場面もあったことから、引き続き上昇を期待しているものと考えられます。
※1 本グラフは、過去の特定の時点において投資していたETFについて解説するものであり、 実際にROBOPROが投資するETFは、投資一任契約に基づき投資運用業者であるFOLIOが適宜選定するため、記載日以降も同一銘柄が選定されることを示唆又は保証するものではありません。
※2 本グラフは、2023年12月29日を起点としたVTI(米国株式)、VEA(先進国株式)、VWO(新興国株式)、IYR(不動産)それぞれのドル建ての騰落率の推移を表示したものです。Bloombergが提供するデータを用いて、FOLIOにて計算し作成したもので、信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、 情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。
※3 本データは将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
また、地政学リスクだけなく、米国経済の減速や欧米の政情に対する懸念も高まっていることなどを背景に、一般に安全資産とされる金や米国債券も相応に保有しているものと考えられます。
結果として、ポートフォリオ全体として、市場全体への警戒感を維持しつつも、引き続き不動産の相対的な割安感から上昇に期待し、攻めと守りのバランスをとった投資配分としました。
ROBOPROの投資配分の変更は基本的に月一回行われており(臨時リバランスを除く)、次の投資配分の変更は2024年7月29日の予定です(臨時リバランスが行われ、日程が前倒しされる可能性があります)。
2024年6月の運用実績は近く公開予定のパフォーマンスレポートでお伝えいたします。
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