今回の投資配分変更のポイント
2023年7月の世界の株式市場は、米国の利上げ長期化懸念が和らいだこと等が好感され、概ね堅調な推移となりました。為替市場では、米国の長期金利が低下したことを受けて日米の金利差の縮小を意識した円買いドル売りが進行し、一時的に1ドル137円台をつける場面もありました。
そのような投資環境下において実施されたROBOPROの2023年8月(7月28日実施)の投資配分の変更を解説します。
新興国株式から米国債券へ一部シフト、金の比率は維持
今回の投資配分の変更では、新興国株式の比率を減らし、米国債券の比率を高めました。前回に続き新興国株式、米国債券、金の3つの資産のみのポートフォリオとなりました。
※上記投資配分について、 2023年3月は3月2日、2023年4月は3月29日、2023年5月は4月28日、2023年6月は5月30日、2023年7月は6月29日、2023年8月は7月28日のそれぞれのリバランス時点の投資配分を示しています。
※円グラフおよび帯グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があります。
市場全体への警戒感を持ちつつ、バランスも意識
AIの予測の変化と最適ポートフォリオの更新
今回の投資配分の変更時におけるAI予測(8つのETFの将来のリターンに関する予測)では、市場が全体的に下落傾向であることが予測される中で、新興国株式、金においては相対的に高いリターンが期待されるという予測結果となりました。
一方で、ポートフォリオの最適化を行なう過程では、新興国株式の比率を減らし、米国債券の比率を高めました。要因の一つとして、新興国株式と相関が高い先進国株式のAI予測が前月比で相対的に大きく下落したことの影響が考えられます。
ポートフォリオを踏まえてのFOLIOによる考察
市場全体への警戒感を持ちつつも、過度にリスクオフの姿勢はとらず、上昇局面にも一定程度対応できる余地を残したポートフォリオとなりました。
金および米国債券の投資配分が高いことについては、欧米の株式市場の加熱感を警戒しているものと考えられ、その上で、リスクオフ相場に耐性がある資産として金への投資比率を高めているものと考えられます。
一方、新興国株式への投資配分が比較的高いことについて、欧米株式と比較して相対的に割安感があるため、リスクオフ局面への耐性も期待しつつ、利上げへの警戒感が後退する局面等における上昇余地を見込んでいるものと考えられます。
ROBOPROの投資配分の変更は基本的に月1回行われており(臨時リバランスを除く)、次の投資配分の変更は2023年8月29日の予定です(臨時リバランスが行われ、日程が前倒しされる可能性があります)。
2023年7月の実績は近く公開予定のパフォーマンスレポートでお伝えいたします。