今回の投資配分変更のポイント
2023年9月の世界の株式市場は、米国による金融引き締めの長期化の見通しが意識され長期金利が上昇した結果、欧米を中心に下落基調となりました。為替は米国の長期金利上昇を受けて日米の金利差拡大が意識される中で円安・ドル高が加速しました。
そのような投資環境下において実施されたROBOPROの2023年10月(9月29日変更実施)の投資配分を解説します。
全体のリスク資産比率は概ね維持しながら、新興国株式の比率が増加
今回の投資配分の変更では、全体としてリスク資産(株式や不動産)の比率は大きく変更はせずに、前月に減らした新興国株式の比率を再び大幅に増やし、反対に米国株式を減らしました。また、米国債券もわずかに減少させ、結果的に新興国株式、金、米国債券、米国株式の比率順に4つの資産を保有するポートフォリオとなりました。
※上記投資配分について、 2023年4月は3月29日、2023年5月は4月28日、2023年6月は5月30日、2023年7月は6月29日、2023年8月は7月28日、2023年9月は8月29日のそれぞれのリバランス時点の投資配分を示しています。
※円グラフおよび帯グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があります。
市場全体への警戒を維持しつつ、リスク資産を入替え
AIの予測の変化と最適ポートフォリオの更新
今回の投資配分の変更時におけるAI予測(8つの資産の将来のリターンに関する予測)では、全体としてはマーケットの見通しがやや改善する方向への変化が見られました。
その中で、リスク資産においては新興国株式に相対的に高いリターンが見込まれた一方で、リスクオフ相場に耐性があるとされる金についても前回同様に相対的に高いリターンが期待されました。
そしてポートフォリオの最適化を行う過程で、その予測を踏まえた結果、米国株式の比率を減らし、新興国株式の比率を高めました。
ポートフォリオの変更を踏まえてのFOLIOによる考察
前回と比較して、全体としてはリスク資産の比率が概ね維持されており、引き続き市場全体への警戒感を持ちつつも、過度にリスクオフの姿勢はとらず、上昇局面にも一定程度対応できる余地を残したポートフォリオとなりました。その中で前回からの変化としては、米国株式を減らし、新興国株式の比率を増やす形でリスク資産の入れ替えを行いました。
市場全体への警戒感を維持する中で、金と米国債券の比率は大きく変更せずに、合計で全体の半分以上の組入れとして、株式市場の下落等リスクオフ相場に備えるような投資配分を保ったと考えられます。
この市場への警戒感の要因としては、米国では金融引き締めの長期化、欧州でも財政赤字への懸念等が広がっていることから、欧米を中心に金利の上昇が続いていることなどが考えられます。
一方で株式市場の上昇局面にも対応できるように全体の約4割はリスク資産としており、中でも金利が上昇する欧米諸国に対して、先行してインフレ(物価の上昇)が鈍化し始めている新興国では利下げ余地が大きく、将来的に株式への資金流入が拡大するとの予想などもあり、相対的に新興国株式の投資配分を増やしたと考えられます。
ROBOPROの投資配分の変更は基本的に月1回行われており(臨時リバランスを除く)、次の投資配分の変更は2023年10月27日の予定です(臨時リバランスが行われ、日程が前倒しされる可能性があります)。
2023年9月の運用実績は近く公開予定のパフォーマンスレポートでお伝えいたします。