今回の投資配分変更のポイント
2024年5月の世界の株式市場を振り返ると、米国で利下げ開始の先送り懸念が後退したことや、米ハイテク企業の市場予想を上回る決算が好感されて、欧米を中心に堅調な推移となっています。
為替は、上旬に日本の通貨当局による為替介入とみられる動きがあったことや、米国の利下げ観測の高まりなどから大幅に円高・ドル安基調になる場面がありましたが、後半にかけて日米金利差の拡大が改めて意識されて再び円安・ドル高が進む展開となっています。
そのような投資環境下において実施されたROBOPROの2024年6月(5月29日変更実施)の投資配分を解説します。
米国債券が大幅増、金も増加、不動産は減少、その他資産は除外
今回の投資配分の変更では、米国債券の比率が大幅に増加し、金も僅かに増えた一方で、不動産の比率は減少しました。その他の資産は組み入れられず、結果的に、米国債券、不動産、金の比率順に3資産を保有するポートフォリオとなりました。
※上記投資配分について、2024年1月は2023年12月29日、2024年2月は1月29日、2024年3月は3月1日、2024年4月は4月1日、2024年5月は4月30日、2024年6月は5月29日のそれぞれの変更時点の比率を示しています。
※円グラフおよび帯グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があります。
米国債券と金を計7割弱保有し警戒感を高めながらも、不動産の反発に期待継続
AIの予測の変化と最適ポートフォリオの更新
今回の投資配分の変更時におけるAI予測(8つの資産の将来のリターンに関する予測)では、全体としてはマーケットの見通しが後退する方向への変化が見られました。
前月と比較して、株式(米国株式、先進国株式、新興国株式)を中心に見通しが相対的に大きく後退した一方で、不動産等の見通しが改善しました。
そしてその予測を踏まえてポートフォリオの最適化を行った結果、一般に安全資産とされることが多い米国債券と金、比較的リスクが高い資産である不動産の3資産をそれぞれ約三分の一ずつ保有する投資配分としました。
ポートフォリオの変更を踏まえてのFOLIOによる考察
今回の投資配分の変更においては、米国債券と金を合わせて全体の約66%まで増やしており、前月と比べて市場全体への警戒感を高めた投資配分としました。結果として、米国債券、不動産、金をおよそ三分の一ずつ保有する特徴的な投資配分となりました。
まず不動産を保有する背景としては、不動産が年初から軟調な推移となっており、概ね上昇基調を続ける株式と比較して割安感が相対的に高まっていることが挙げられます。特に米国金利が低下した際には、米国株式等の上昇幅を超えることもある不動産に対して、前月から継続して反転上昇を期待しているものと考えられます。
また足もとは、米金融政策だけでなく、中東情勢の動向等にも注意が必要な環境であることから、一般に安全資産とされる金や米国債券も相応に保有しているものと考えられます。
結果として、不動産の相対的な割安感から上昇に期待しつつも、ポートフォリオ全体として、市場全体への警戒感を一定程度高めた投資配分となっていると考えられます。
ROBOPROの投資配分の変更は基本的に月一回行われており(臨時リバランスを除く)、次の投資配分の変更は2024年6月28日の予定です(臨時リバランスが行われ、日程が前倒しされる可能性があります)。
2024年5月の運用実績は近く公開予定のパフォーマンスレポートでお伝えいたします。
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