今回の投資配分変更のポイント
2025年4月29日までの2025年4月の世界の株式市場は、トランプ米政権の相互関税に大きく揺さぶられる展開となりました。4月2日に市場参加者の予想を超える厳しい相互関税が発表され、多くの国で株価が急落しました。しかし、9日には実際に追加の相互関税が発動されたものの、同日のうちに90日間の一時停止が発表されたことで、その後は回復基調となりました。
とはいえ、追加関税の一時停止発表後も、中国への高関税が維持されたことや、米国債が一時的に大きく売られたこと、追加関税に関する今後の不透明感等の不安要因は残っており、神経質な展開は続いています。
為替市場では、相互関税発表後に米国から資金が逃避し、円高・ドル安が進行しました。月後半には株式市場の回復や米長期金利の安定とともに、わずかに円安・ドル高に戻りつつあります。
このような投資環境下において実施されたROBOPROの2025年5月(4月30日変更実施)の投資配分を解説します。
米国株式を5割まで増やし、債券資産を除外
今回の投資配分の変更では、ハイイールド債券と米国債券を除外したほか、先進国株式、新興国株式、金の比率が減少しました。一方で、米国株式の比率が5割まで増加し、不動産を新たに組み入れました。
ROBOPROで活用されているAIに基づく各資産のリターン予測を確認すると、米国株式を筆頭に、先進国株式、新興国株式、不動産など比較的リスクの高い資産の見通しが優位となりました。
そしてこれらの予測を踏まえて、金融工学に基づいたポートフォリオの最適化を行った結果、比率順に米国株式、先進国株式、新興国株式、金、不動産の5資産を保有するポートフォリオとなりました。相対的にリスクが低いとされる金の比率を減らし債券資産を除外して、株式資産と不動産で9割以上を占める積極的な投資配分となりました。

※上記投資配分について、2025年1月は2024年12月27日、2025年2月は1月29日、2025年3月は3月3日、2025年4月は3月28日、2025年5月は4月30日のそれぞれの変更時点の比率を示しています。2025年4月は、通常の変更に加えて4月10日に臨時リバランスを実施しました。
※円グラフおよび帯グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があります。ただし、2025年4月10日の米国債券については小数第2位まで表示しています。
AI予測および今回の投資配分変更の背景
株式資産への期待から、積極性を維持
今回大きく配分を増やした米国株式は、4月の上旬に発表された米国の追加関税政策と景気減速への不安感などから大きく下落していました。月の後半にかけて回復基調にあるとはいえ、水準はまだ低く、年初にあった過熱感は一定程度和らいだものと考えられます。また、米国では景気減速が見込まれる際には追加的な利下げが実施される可能性も残されており、一般的に金利低下は株価にプラスに寄与することが多いため、金融政策による下支えにも期待することができます。
一方で、先進国株式と新興国株式は、依然として優位な見通しが継続しているものの、米国株式との比較においては劣後したことから、比率を減らしました。
また、金については保有比率を減らしていますが、一般的に安全資産とされる同資産の保有を続けることで、株式中心のポートフォリオのバランスを取っていると考えられます。
結果として、金の保有を続けつつも、比較的リスクの高い株式と不動産を9割超とすることで、積極性をより高めた投資配分としています。
ROBOPROの投資配分の変更は基本的に月一回行われており(臨時リバランスを除く)、次の投資配分の変更は2025年5月29日の予定です(臨時リバランスが行われ、日程が前倒しされる可能性があります)。
2025年4月の運用実績は近く公開予定のパフォーマンスレポートでお伝えいたします。
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