今回の投資配分変更のポイント
2025年3月28日時点において、2025年3月の世界の株式市場を振り返ると、前月から広まっていた米景気減速懸念や日々方針が変更される米関税政策の不透明感等を受けて、米国では特に月の前半に大きく下落しました。一方で、日本や年初来で下落基調が続いていたインドでは上昇しています。
為替は、米国の景気不安や関税政策の不透明感等に日本の金利上昇が相まって、月の前半に円高・ドル安が進みましたが、米金利の上昇とともに月の後半にかけて円安・ドル高方向に戻っています。
このような投資環境下において実施されたROBOPROの2025年4月(3月28日変更実施)の投資配分を解説します。
主に新興国株式と金が減少した一方、米国株式が増加して、先進国株式は再び組み入れられる
今回の投資配分の変更では、新興国株式と金、そしてわずかに保有していたハイイールド債券と米国債券の配分が減りました。その一方で、米国株式が増加したことに加え、前月除外した先進国株式が再び組み入れられました。
結果的に、合計で8割弱となった株式資産(米国株式、先進国株式、新興国株式)と2割弱となった金を中心として、ハイイールド債券、米国債券をわずかに保有するポートフォリオとなりました。
ROBOPROで活用されているAIに基づく各資産のリターン予測を確認すると、株式資産の中でも特に米国株式で相対的に優位な結果が期待できる見通しとなりました。一方で、債券資産(米国債券、ハイイールド債券、新興国債券)と前月まで優位な見通しを維持していた金は、相対的に劣後する見通しとなっています。
そしてこれらの予測を踏まえて、金融工学に基づいたポートフォリオの最適化を行った結果、前回の投資配分の変更時と比べて全体としては金や債券といった相対的にリスクが低いとされる資産の比率が減り、積極的な投資配分となりました。新興国株式は、比率が減少したものの30%以上の組み入れを維持しました。また金については、AIに基づくリターン予測は悪化傾向が続いていますが、株式資産の比率を大幅に増やす一方で急激な変化に対するリスクを軽減する観点から組み入れを継続しています。

※上記投資配分について、2024年12月は11月29日、2025年1月は2024年12月27日、2025年2月は1月29日、2025年3月は3月3日、2025年4月は3月28日のそれぞれの変更時点の比率を示しています。2024年11月は、通常の変更に加えて11月7日に臨時リバランスを実施しました。
※円グラフおよび帯グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があります。
ポートフォリオの変更を踏まえてのFOLIOによる考察
株式資産が多くを占め、積極性をさらに高める
今回の投資配分の変更においては、米国株式の比率を増やしたほか、先進国株式を新たに加えて、3月まで上昇してきた新興国株式や金を減らしました。
米国株式は、米景気減速懸念や米関税政策の不透明感等で2月下旬から大きく調整しました。過去の価格推移との比較でも調整幅が比較的大きかったことから、過熱感が和らぎ魅力が増したと考えられます。また、一般的に金利低下は株価にプラスに寄与することが多く、利下げが予想されている米国の金融政策による下支えも期待することができます
先進国株式は、欧州を中心にトランプ関税の影響を見極めながらも株式市場の上昇が続いていることも踏まえ、米国株式と比較して比率は抑えましたが、さらなる上昇を見込み再び組み入れました。
新興国株式は、3月の中旬にかけて上昇基調にあったことからも比率を引き下げた形となりました。
また、依然として世界経済の不透明感が残る中で、一般的に安全資産とされる金の保有を続けることで、株式中心のポートフォリオのバランスを取っていると考えられます。
結果として、全体の8割弱を株式とし、残りの大部分を金に割り当てることでバランスを取りつつも、積極性を高めた投資配分としています。
ROBOPROの投資配分の変更は基本的に月一回行われており(臨時リバランスを除く)、次の投資配分の変更は2025年4月30日の予定です(臨時リバランスが行われ、日程が前倒しされる可能性があります)。
2025年3月の運用実績は近く公開予定のパフォーマンスレポートでお伝えいたします。
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