今回の投資配分変更のポイント
2024年11月の世界の株式市場を振り返ると、月初の米大統領選でトランプ氏が勝利し米国では上昇しましたが、欧州や新興国では米国との貿易摩擦の激化が想像されたこと等で動きはさえず、月末までまちまちな値動きとなりました。
為替は、米大統領選の結果等を受けて米長期金利が上昇したことから、日米金利差が拡大し、円安・ドル高が進みました。しかし、12月に日銀が利上げを、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを決定する見通しが強まり、両国の金利差が縮小したこと等から、月末にかけて円高・ドル安に振れました。
このような投資環境下において実施されたROBOPROの2024年12月(11月29日変更実施)の投資配分を解説します。
米国株式、先進国株式、不動産の一部を新興国株式とハイイールド債券に組替え、6資産をバランスよく保有する構成に
今回の投資配分の変更では、米国株式、先進国株式、不動産の比率が減少し、新たに新興国株式が加わったほか、ハイイールド債券等の比率が引き上げられて、保有資産のすべてが3割以下の比率となりました。結果的に、比率順で金、米国株式、不動産、新興国株式、先進国株式、ハイイールド債券の6資産を保有するポートフォリオとなりました。
ROBOPROが活用している各資産のリターンに関するAI予測を見ると、金、新興国株式等は相対的に優位な結果が期待できるとの見通しとなりました。一方で、米国債券等については相対的に劣後することを見込んでいます。
そしてこれらの予測を踏まえて、金融工学に基づいたポートフォリオの最適化を行った結果、全体としては新興国株式を追加して6資産を保有する構成とし、11月7日に実施した臨時リバランス時の配分と比べてより分散を効かせた投資配分としました。
※上記投資配分について、2024年8月は7月29日、2024年9月は8月29日、2024年10月は9月30日、2024年11月は10月29日、2024年12月は11月29日のそれぞれの変更時点の比率を示しています。2024年11月は、通常の変更に加えて11月7日に臨時リバランスを実施しました。
※円グラフおよび帯グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があります。
ポートフォリオの変更を踏まえてのFOLIOによる考察
割高とみられる資産から割安とみられる資産へのシフトを伴いながら、よりバランスをとった投資配分へ
11月は、通常の投資配分変更(2024年10月29日実施)に加えて、米大統領選での開票結果によりトランプ氏の勝利が確実視される中で、6日に見られた大きな相場変動を受けて、11月7日にも臨時の投資配分変更を行いました。その際に追加した先進国株式は継続して保有しつつ、今回の投資配分の変更では、米国株式を比較的多く減らして新興国株式を新たに組入れました。
米国株式は、年初来で大きく上昇していた中、米大統領選でトランプ氏が勝利した後に史上最高値圏まで上昇しており、割高感等が意識されて配分を減らしたと考えられます。
新たに組み入れた新興国株式については、トランプ氏の掲げる関税政策によって、中国を筆頭に各国との貿易摩擦が激化して新興国経済の下押し要因となるとの見通し等から軟調に推移しており、相対的な割安感が高まっていました。
一方で、大統領選後の大きな相場変動のほか、中東についても情勢が刻々と変化したことで、これまで長らく堅調であった金の価格も相対的に大きく変動する等、市場の不確実性が高まりつつあります。
これらの状況変化をマーケットデータを通じて捉え、割高とみられる資産から割安とみられる資産へのシフトを伴いながら、より多くの資産に分散してバランスをとった投資配分にしたと考えられます。
ROBOPROの投資配分の変更は基本的に月一回行われており(臨時リバランスを除く)、次の投資配分の変更は2024年12月27日の予定です(臨時リバランスが行われ、日程が前倒しされる可能性があります)。
2024年11月の運用実績は近く公開予定のパフォーマンスレポートでお伝えいたします。
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