今回の投資配分変更のポイント
2025年2月の世界の株式市場を振り返ると、トランプ関税の不確実性や米国の軟調な経済指標の発表等を受けて、米国や日本の株式市場は月の後半にかけて下落しました。一方で、月中に最高値を付けたドイツをはじめ欧州株式は好調であったほか、中国も当局の支援策への期待が続き上昇しました。
為替は、米国の経済指標が物価・住宅・景気など多岐にわたって軟化したことを受けて利下げ期待が高まったことなどで日米金利差が縮まり、前月末比で円高・ドル安となりました。
このような投資環境下において実施されたROBOPROの2025年3月(3月3日変更実施)の投資配分を解説します。
先進国株式と不動産は除外、米国債券が減少して、米国株式を中心に増加
今回の投資配分の変更では、米国債券の比率が大きく減ったほか、わずかに保有していた先進国株式と不動産が除外されました。その一方で米国株式が大幅に増加し、新興国株式と金の比率もわずかに上昇しました。結果的に、合計で約96.3%となった新興国株式、金、米国株式の3資産を中心としつつ、ハイイールド債券、米国債券をわずかに保有するポートフォリオとなりました。
ROBOPROで活用されているAIに基づく各資産のリターン予測を確認すると、米国株式や新興国株式等で相対的に優位な結果が期待できる見通しとなりました。一方で、金は優位な見通しを維持したものの前月と比べてその程度が縮小したほか、債券系資産(米国債券、ハイイールド債券、新興国債券)は相対的に劣後する見通しとなっています。
そしてこれらの予測を踏まえて、金融工学に基づいたポートフォリオの最適化を行った結果、前回の投資配分の変更時と比べて債券系資産の組み入れを減らした一方で米国株式を増やす等、全体としてはより積極的な投資配分となりました。また金については、AIに基づくリターン予測は悪化傾向でしたが、株式資産を多めに持つ中で全体的なリスク・リターンのバランスを取る観点から続けて高位での組み入れとなりました。

※上記投資配分について、2024年11月は10月29日、2024年12月は11月29日、2025年1月は2024年12月27日、2025年2月は1月29日、2025年3月は3月3日のそれぞれの変更時点の比率を示しています。2024年11月は、通常の変更に加えて11月7日に臨時リバランスを実施しました。
※円グラフおよび帯グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があります。
ポートフォリオの変更を踏まえてのFOLIOによる考察
新興国株式と米国株式で6割強を占める積極的な投資配分に
今回の投資配分の変更においては、米国債券の保有を減らして、主にAIに基づく期待リターンの水準が上昇した米国株式の組み入れを増やしました。
米国株式は、トランプ関税の不透明感や比較的弱い経済指標の発表等を受けて特に2月の下旬に調整し、過熱感が一部緩和されたとみることができます。また、一般的に金利低下は株価にとってプラスに寄与しますが、高止まりしていた米金利が2月の中頃から下落したことも株式市場のサポート材料となると考えられます。
新興国株式は、2月は月間を通じてやや上昇したとはいえ、それまで株価の上値が重かったこと等で割安感が続いていることから、比率をわずかに高める形で配分を維持したと考えられます。
また、同様に比率をわずかに高めた金は一般的に安全資産とされ、市場の混乱時には相対的に資金が集まりやすく高い分散投資効果を発揮する傾向があります。
結果として、主に米国債券の配分を米国株式に振り向けて、米国株式と新興国株式の保有を全体の約2/3とし、より積極的な投資配分としています。
ROBOPROの投資配分の変更は基本的に月一回行われており(臨時リバランスを除く)、次の投資配分の変更は2025年3月28日の予定です(臨時リバランスが行われ、日程が前倒しされる可能性があります)。
2025年2月の運用実績は近く公開予定のパフォーマンスレポートでお伝えいたします。
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