今回の投資配分変更のポイント
2024年12月の世界の株式市場を振り返ると、欧州や一部新興国では月間を通して低調な推移となり、米国でもFOMC(米連邦公開市場委員会)で慎重な利下げ見通しが示されたことを受けて下落する場面もありましたが、米国はその後は反転して11月末の水準を概ね回復しました。
為替は、円安・ドル高の傾向が続きました。日本時間でFOMCと同日の発表となった日銀の金融政策決定会合で利上げを実施しなかったこと等から日米金利差が拡大し、一層の円安・ドル高が進む展開となりました。
このような投資環境下において実施されたROBOPROの2025年1月(2024年12月27日変更実施)の投資配分を解説します。
米国株式、先進国株式、不動産、ハイイールド債券の一部が新興国株式に振り替えられる
今回の投資配分の変更では、比較的リスクの高い米国株式、先進国株式、不動産や、債券の中では相対的にリスクの高いハイイールド債券の比率が減り、主に新興国株式の比率が引き上げられました。結果的に、比率順で新興国株式、金、米国株式、先進国株式、ハイイールド債券、不動産の6資産を保有するポートフォリオとなりました。
ROBOPROで活用されているAIに基づく各資産のリターン予測を見ると、新興国株式と金等が相対的に優位な結果が期待できる見通しとなりました。一方で不動産、ハイイールド債券、米国株式等は相対的に劣後することを見込んでいます。
そしてこれらの予測を踏まえて、金融工学に基づいたポートフォリオの最適化を行った結果、6資産を保有する分散を効かせた構成を維持しつつも、前回の投資配分の変更時と比べて比較的リスクの高い資産の中で新興国株式に重きを置く投資配分となりました。
※上記投資配分について、2024年9月は8月29日、2024年10月は9月30日、2024年11月は10月29日、2024年12月は11月29日、2025年1月は2024年12月27日のそれぞれの変更時点の比率を示しています。2024年11月は、通常の変更に加えて11月7日に臨時リバランスを実施しました。
※円グラフおよび帯グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があります。
ポートフォリオの変更を踏まえてのFOLIOによる考察
株式・不動産にネガティブな要素がある中、引き続き資産の分散を行いながら割安感のある新興国株式を資産の中心に
今回の投資配分の変更においては、引き続き金を比較的多く保有しつつ、リスク性資産の中で特に新興国株式を多く組み入れる投資配分としました。
一般的に金利低下が追い風となると言われている不動産にとって米長期金利が高止まりしていることや、米国株式が12月後半に一時的に下落したものの月末付近には再び最高値圏まで上昇し割高感が解消されなかったこと等が、不動産や米国の見通しに対してネガティブに作用してこれらの比率を引き下げたものと考えられます。
その一方で、強硬な関税政策を掲げるトランプ氏が2025年1月20日に米大統領に就任すること等から、米国と中国などの新興国との間の貿易摩擦が警戒されており、新興国株式は秋以降軟調な動きを続けています。新興国株式が他資産と比べて割安感が高まっていること等から、今後の新興国株式の見通しが相対的に優位なものとなり、新興国株式の比率を増やしたものとみられます。
また金については、一般的に安全資産とされ、市場の混乱時には相対的に資金が集まりやすく、高い分散投資効果を発揮する傾向があるため、引き続き一定の保有を続けてポートフォリオ全体のバランスをとっているといえます。
ROBOPROの投資配分の変更は基本的に月一回行われており(臨時リバランスを除く)、次の投資配分の変更は2025年1月29日の予定です(臨時リバランスが行われ、日程が前倒しされる可能性があります)。
2024年12月の運用実績は近く公開予定のパフォーマンスレポートでお伝えいたします。
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