今回の投資配分変更のポイント
2025年1月29日時点において、2025年1月の世界の株式市場を振り返ると、景気不安が根強い中国では前月末比で下落しており、半導体関連株が乱高下した日本でも中旬までの下落幅を概ね回復するに留まっていますが、20日のトランプ大統領の就任を大きな混乱なく乗り越えた米国や欧州では前月末比で上昇しています。
為替は、米国で物価上昇率が落ち着き長期金利の上昇が一服したことや、日銀が利上げを決定したこと等から、日米金利差が縮まり、前月末比で円高・ドル安となっています。
このような投資環境下において実施されたROBOPROの2025年2月(1月29日変更実施)の投資配分を解説します。
米国株式、先進国株式、不動産、ハイイールド債券が減少、新興国株式と金が増加して、米国債券が新規に組み入れられる
今回の投資配分の変更では、比較的リスクの高い米国株式、先進国株式、不動産や、債券の中では相対的にリスクの高いハイイールド債券の比率が減り、新興国株式と金の比率が引き上げられ、米国債券が新たに組み入れられました。結果的に、新興国株式、金、米国債券の3資産を中心(上記3資産の合計が89.7%)としつつ、米国株式、先進国株式、ハイイールド債券、不動産もそれぞれ僅かに保有するポートフォリオとなりました。
ROBOPROで活用されているAIに基づく各資産のリターン予測を確認すると、新興国株式や金等が相対的に優位な結果が期待できる見通しとなりました。一方で先進国株式や不動産、ハイイールド債券等は相対的に劣後することを見込んでいます。
そしてこれらの予測を踏まえて、金融工学に基づいたポートフォリオの最適化を行った結果、前回の投資配分の変更時と同様に新興国株式と金に重きを置きつつ、新たに米国債券を加えて、全体としては攻守のバランスをとる投資配分となりました。
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※上記投資配分について、2024年10月は9月30日、2024年11月は10月29日、2024年12月は11月29日、2025年1月は2024年12月27日、2025年2月は1月29日のそれぞれの変更時点の比率を示しています。2024年11月は、通常の変更に加えて11月7日に臨時リバランスを実施しました。
※円グラフおよび帯グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があります。
ポートフォリオの変更を踏まえてのFOLIOによる考察
比較的リスクの高い資産では新興国株式を中心に保有しつつ、金と米国債券で全体のバランスをとる
今回の投資配分の変更においては、引き続き新興国株式と金を比較的多く保有しつつ、新たに米国債券を組み入れました。
米国株式は最高値圏に留まっており過熱感が解消されていないのに対して、新興国株式は2024年の秋以降軟調な動きを続けています。そのため株式や不動産といった比較的リスクが高い資産の中では新興国株式の上昇余地が大きいと考えられること等から、見通しが相対的に優位なものとなり、新興国株式の比率を増やしたものとみられます。
一方で金については、一般的に安全資産とされ、市場の混乱時には相対的に資金が集まりやすく、高い分散投資効果を発揮する傾向があります。
また米国債券については、特に新興国株式との相関が低い傾向があるため、新興国株式を比較的多く保有する中で、ポートフォリオ全体のバランスをとる役割を担っていると考えられます。
結果として、比較的リスクの高い資産の中では新興国株式を中心に保有しつつ、金と米国債券を合わせて5割弱組み入れることで、攻守のバランスをとる投資配分としています。
ROBOPROの投資配分の変更は基本的に月一回行われており(臨時リバランスを除く)、次の投資配分の変更は2025年3月3日の予定です(臨時リバランスが行われ、日程が前倒しされる可能性があります)。
2025年1月の運用実績は近く公開予定のパフォーマンスレポートでお伝えいたします。
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