今回の投資配分変更のポイント
・8月は米利下げ期待等が株式市場には追い風となった反面、円高・ドル安の要因に
・9月は前月同様に7資産構成で、配分の高い順に米国株式、不動産、金、ハイイールド債券、米国債券、先進国株式、新興国株式を保有
・米国株式を約5割として、ハイイールド債券と金へのシフトで攻守のバランスをとった配分に
目次
マーケット環境の振り返り
2025年8月28日までの2025年8月の世界の株式市場は、月初の米雇用統計で予想を下回る結果や過去分の大幅な下方修正が発表され一時的に下落しましたが、米中貿易摩擦の緩和や米国の利下げ期待の高まり等で反発し、先進国を中心に上昇しています。
為替市場では、月初の軟調な米雇用統計を受けて不透明感が台頭し米ドルから資金が逃避しました。その後も米物価上昇率の落ち着きやパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言等で米金利の反発は抑えられ、円高・ドル安が続いています。
このような投資環境下において実施されたROBOPROの2025年9月(8月29日変更実施)の投資配分を解説します。
今回の投資配分変更の内容
今回の投資配分の変更では、配分の高い順に米国株式、不動産、金、ハイイールド債券、米国債券、先進国株式、新興国株式の7資産を持つ構成となりました。
ROBOPROで活用されているAIに基づく各資産のリターン予測を確認すると、米国株式、ハイイールド債券、金の見通しが相対的に高位となった一方、米国債券、先進国株式、新興国株式等は相対的に低位な見通しとなりました。
そしてこれらの予測を踏まえて、金融工学に基づいたポートフォリオの最適化を行った結果、株式では相対的に見通しが低位な先進国株式や新興国株式の配分を減らした一方、米国株式の配分を増やし株式全体の配分は維持しました。
また米国債券の配分を減らしハイイールド債券の配分を増やすとともに、不動産から一般的に安全資産とされる金への配分シフトを行いました。

※上記投資配分について、2025年5月は4月30日、2025年6月は5月29日、2025年7月は6月27日、2025年8月は7月29日、2025年9月は8月29日のそれぞれの変更時点の比率を示しています。2025年4月は、通常の変更に加えて4月10日に臨時リバランスを実施しました。
※円グラフおよび帯グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があります。ただし、2025年4月10日の米国債券については小数第2位まで表示しています。
AI予測および今回の投資配分変更の背景
米利下げ観測の高まりを背景に、米国株式を増やしつつハイイールド債券と金へのシフトで攻守のバランスをとった配分に
前月に続き比率を増やした米国株式に対しては、長期の価格推移から判断される上昇余地に加え、市場では米国での利下げ期待が高まっており、一般的に金利低下は株式に追い風となることからも、米国の短期金利の低下等が相対的に高い見通しを継続させたと考えられます。
また、長期的な価格推移で上昇余地の見られるハイイールド債券は米国株式に次ぐ見通しであったことから、組み入れを増やしました。
前月から一転して、見通しが低下した米国債券に関しては、金利低下の影響で米ドルからの逃避の動きが再燃することによる米国債券からの資金流出リスクが意識されたものと考えられます。
金は米ドル安に対する予防的な観点で選好されることがありますが、今回の投資配分変更においては、利下げ観測の高まりによる米ドル安リスクとインフレリスクの双方の回避手段として、前月の配分の高かった不動産の一部を金への配分にシフトさせたものと考えられます。
全体として、米国株式を中心に据えつつ、米国債券の配分を減らしハイイールド債券の配分を増やすことで高利回りを狙う積極策と、不動産から金への配分変更で米ドル安並びにインフレリスクヘッジも勘案しつつポートフォリオ全体のリスクバランスを取る堅実策を両立させ、リスクに関する攻めと守りの二正面に配慮した投資配分となりました。
ROBOPROの投資配分の変更は基本的に月一回行われており(臨時リバランスを除く)、次の投資配分の変更は2025年9月30日の予定です(臨時リバランスが行われ、日程が前倒しされる可能性があります)。
2025年8月の運用実績は近く公開予定のパフォーマンスレポートでお伝えいたします。
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