今月のポイント
ROBOPRO 2023年9月のパフォーマンスは-1.21%※1
ROBOPRO(ロボプロ)は、AIによる予測技術を利用して期待リターンを算出し、積極的な利益の追求や損失の軽減を目指す資産運用サービスで、2023年9月30日でリリースから約3年8か月が経過しました。
以下は直近1か月である2023年8月31日から9月29日までのROBOPROと各資産の騰落率(円建て)です。※2
※1 ROBOPROの1か月のパフォーマンスは、直近1か月前の資産の評価額と2023年9月29日おける評価額を元に計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。算出方法の詳細は※3をご確認ください。
※2 騰落率グラフは表示期間における各資産の価格を円建てで比較したものおよびROBOPROのリターンを示したものです。各資産の計算は、計算期間終了日時点の円建て資産額/計算期間開始日時点の円建て資産額-1で行っています。将来の傾向や運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
ハイイールド債券を除くすべての投資対象資産が円建てで下落
2023年9月のROBOPROが投資対象としている各資産の騰落率を見てみると(上の棒グラフ)、米国の長期金利上昇を受けて日米の金利差拡大が意識される中で円安・ドル高が加速したものの、ハイイールド債券を除いたすべての資産が円建てで下落しました。
米国株式や不動産は中旬頃までは一進一退の動きを続けていましたが、19〜20日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を受け、米国で金融引き締めが長期化するとの見方が改めて拡大したことなどにより大きく下落しました。特に米国株式においては、同時に新会計年度予算案がまとまらず政府機関が一部閉鎖されるリスクが意識されたことも重石となり下落幅が拡大しました。
一方で米国債券や金利上昇局面に比較的耐性があるとされるハイイールド債券は、株式等と比較して価格変動が小幅に留まりました。
このような騰落率であった2023年9月における、ROBOPROの資産配分は以下でした。
金、米国債券、米国株式、新興国株式の比率順に4資産を保有
円グラフは2023年8月29日時点での投資配分で、この比率で2023年9月を迎えました(※2023年8月29日の注文締切時刻までに注文したお客様に適用されます)。
前月の新興国株式、米国債券、金の3つの資産配分から、新興国株式の比率を減らして米国株式の比率を増やした資産配分となりました。
リスク資産の入れ替えは行ったものの、全体としては前月に引き続き市場全体に警戒感を持ちながら、過度にリスクオフの姿勢は取らずに、上昇局面においても一定程度対応できる余地を残したポートフォリオとなりました。
新興国株式の比率を減らして米国株式の比率を増やした点に関する当社の考察背景は2023年9月のリバランスレポート<ROBOPRO 9月の投資配分(8月29日変更実施)>を、現在の投資配分は2023年10月のリバランスレポート<ROBOPRO 10月の投資配分(9月29日変更実施)>をご参照ください。
結果として、米国株式・金の保有はマイナスに影響したものの、市場全体への警戒感を保持していたことから比較的多く保有していた米国債券が相対的に小さな価格変動に留まったことで、一般的なロボアドバイザー比※4で下落幅を抑制することができました。
※円グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があります。
リリース来のパフォーマンス
以下の折れ線グラフは「ROBOPRO※3(深緑線)」、「TOPIX(灰色線)」、そして「一般的なロボアドバイザー※4(緑線)」の比較グラフで、開始点はROBOPROがサービスをリリースした2020年1月15日です。
ROBOPROの運用実績は下のグラフのように推移しており、リリースされた2020年1月15日から2023年9月29日の期間で見ると、9月29日時点で+55.60%※3となりました。
また以下は、直近1か月、3か月、6か月およびROBOPROのリリース来のパフォーマンス比較です。※5
※3 ROBOPRO運用実績について
サービス開始当初(2020年1月15日)から表示日まで、または表示している期間において、ROBOPROサービスに投資していた場合のパフォーマンスです。運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益に係る税金は考慮していません。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
※4 「一般的なロボアドバイザー」の運用シミュレーションについて
「一般的なロボアドバイザー」とは、利用者がリスク許容度に応じて設けられている複数の運用コースの中から一つのコースを選択し、一般的な運用アルゴリズム(ノーベル賞を受賞した理論に基づき、金融機関において広く使われている平均分散法を採用。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出)を用いて自動で運用を行う投資一任サービスのことを指します。本運用シミュレーションは、一般的な運用アルゴリズムでROBOPROと同じETFを運用したと仮定したシミュレーション結果です。リスク許容度はやや高めとし、5%〜40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出しています。運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れリバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益に係る税金は考慮していません。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
※5 1か月、3か月、6か月のパフォーマンスは、それぞれ直近Nか月前の資産の評価額と2023年9月29日における評価額を元に計算しています。ROBOPROリリース来のパフォーマンスは、2020年1月15日の資産の評価額と2023年9月29日における評価額を元に計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
(参考)2023年9月のマーケットを振り返る
- 2023年9月の世界の株式市場は、米国での金融引き締めの長期化の見通しが意識され長期金利が上昇した結果、欧米を中心に下落基調となりました。
- 為替は米国の長期金利上昇を受けて日米の金利差拡大が意識される中で円安・ドル高が加速しました。
米国株式の指標であるS&P500は、上旬から中旬にかけて、金融引き締めの長期化に対する警戒感が和らぎ小幅に上昇する局面があった一方で、原油高によるインフレ長期化懸念や金利上昇が嫌気され小さく下落する局面があるなど、一進一退の動きでした。
しかし下旬に入ると、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を受けて金融引き締めが長期化するとの見方が改めて広がったことに加え、新年度予算案がまとまらず政府機関の一部閉鎖リスクが意識されるなどして下落、最終的に前月比-4.87%で9月を終えました。
日本株式市場の指標であるTOPIXは上旬、米国やアジアの株式の堅調さが好感され上昇基調で始まるも、米中の関係悪化が嫌気されるなどで下落しました。中旬には米国市場の一時的な反発などの影響を受けて上昇する場面もありましたが、下旬には米国の金融引き締め長期化観測やアジア株安、日米の長期金利上昇などから下落して、最終的に前月比-0.36%で終えました。
欧州株式市場の指標であるストックス欧州600指数は上旬、中国の景況感指数の悪化が重石となる一方、金利上昇の警戒感が和らぐなどで一進一退の動きとなりました。中旬には中国市場の上昇やECB(欧州中央銀行)の利上げ打ち止め期待が好感され上昇する場面があるも、下旬には米国の金融引き締め長期化懸念などから下落基調となり、最終的に前月比で-1.73%となりました。
中国株式市場の指標である上海総合指数は上旬、当局の政策期待から上昇する場面もありましたが、国内経済や米中対立への不安などから下落しました。中旬には再び景気対策への期待が高まり上昇する場面があるも一進一退の動きとなり、下旬に入っても景気刺激対策への期待は続きましたが根強い景気の先行き懸念などが重石となり、最終的に前月比で-0.30%となりました。
インド株式市場の指標であるインドSENSEXは上旬、経済指標の改善やアジア市場の堅調さ、当局の景気対策などが好感されて上昇基調となりました。中旬に入ってもしばらくは上昇が続いていましたが、その後、軟調な欧州市場などの影響で下落に転じました。下旬は、米長期金利の上昇などが嫌気されて下落した後に一進一退の推移となり、最終的に前月比で+1.53%となりました。
ドル・円為替相場は、FOMCにおいて2024年の政策金利の見通しが引き上げられたことにより米長期金利が大きく上昇した結果、日米金利差の拡大および日米の金融政策に対する方針の違いなどが意識され、2022年10月以来となる149円台まで円安・ドル高が進行しました。
米国10年債利回りは、上旬から中旬にかけて堅調な経済指標や原油高によるインフレ長期化懸念などを受けて上昇基調でしたが、FRB(米連邦準備制度理事会)による政策金利見通しから高水準な政策金利が続くと観測されたことで上昇が加速し、月末には、16年ぶりの高さを記録する局面がありました。
※各指数等のデータはBloombergが提供する値を用いています。表示されている値(米国10年債利回りを除く)は、小数第3位以下を切り捨てています。