今月のポイント
ROBOPRO2023年10月のパフォーマンスは+2.11%
ROBOPRO(ロボプロ)は、AIによる予測技術を利用して期待リターンを算出し、積極的な利益の追求や損失の軽減を目指す資産運用サービスで、2023年10月31日でリリースから約3年9か月が経過しました。
以下は直近1か月である2023年9月29日から10月31日までのROBOPROと各資産の騰落率(円建て)です。※2
※1 ROBOPROの1か月のパフォーマンスは、直近1か月前の資産の評価額と2023年10月31日における評価額を元に計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。算出方法の詳細は※3をご確認ください。
※2 騰落率グラフは表示期間における各資産の価格を円建てで比較したものおよびROBOPROのリターンを示したものです。各資産の計算は、計算期間終了日時点の円建て資産額/計算期間開始日時点の円建て資産額-1で行っています。将来の傾向や運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
金を除くすべての投資対象資産が円建てで下落
2023年10月のROBOPROが投資対象としている各資産の騰落率を見てみると(上の棒グラフ)、米国の長期金利上昇を受けて日米の金利差拡大が意識される中で円安・ドル高が加速したものの、金を除いたすべての資産が円建てで下落しました。
また10月は、米国長期金利の大幅な上昇や中東情勢の不透明感により投資家がリスク回避姿勢を強めたことで、欧米をはじめとする主要国の株式市場が下落した一方、相対的に安全な資産とされる金の価格は大幅に上昇しました。
このような投資環境であった2023年10月における、ROBOPROの投資配分は以下でした。
新興国株式、金、米国債券、米国株式の比率順に4資産を保有
円グラフは2023年9月29日時点での投資配分で、この比率で2023年10月を迎えました(※2023年9月29日の注文締切時刻までに注文したお客様に適用されます)。
今回の投資配分は、株式や不動産などのリスク資産の比率は大きく変更せずに、前月に減らした新興国株式の比率を増やし、反対に米国株式の比率を減らしました。その結果、新興国株式、金、米国債券、米国株式の比率順で4つを保有する構成となりました。前月に引き続き、金などを比較的多く保有することで市場全体のへ警戒感を持ちつつも、リスク資産の比率を維持することで上昇局面においても一定程度対応できる余地を残したポートフォリオとなりました。
結果として、唯一値上がりした金を比較的高い比率で保有していたことが功を奏し、一般的なロボアドバイザー※4を大きく上回るパフォーマンスとなりました。
※円グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があります。
このような投資配分とした背景に関する当社の考察は2023年10月のリバランスレポート<ROBOPRO 10月の投資配分(9月29日変更実施)>を、現在の投資配分は<ROBOPRO 11月の投資配分(10月27日変更実施)>をご参照ください。
リリース来のパフォーマンス
以下の折れ線グラフは「ROBOPRO※3(深緑線)」、「TOPIX(灰色線)」、そして「一般的なロボアドバイザー※4(緑線)」の比較グラフで、開始点はROBOPROがサービスをリリースした2020年1月15日です。
ROBOPROの運用実績は下のグラフのように推移しており、リリースされた2020年1月15日から2023年10月31日の期間で見ると、10月31日時点で+58.89%※3となりました。
また以下は、直近1か月、3か月、6か月およびROBOPROのリリース来のパフォーマンス比較です。※5
※3 ROBOPRO運用実績について
サービス開始当初(2020年1月15日)から表示日まで、または表示している期間において、ROBOPROサービスに投資していた場合のパフォーマンスです。運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益に係る税金は考慮していません。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
※4 「一般的なロボアドバイザー」の運用シミュレーションについて
「一般的なロボアドバイザー」とは、利用者がリスク許容度に応じて設けられている複数の運用コースの中から一つのコースを選択し、一般的な運用アルゴリズム(ノーベル賞を受賞した理論に基づき、金融機関において広く使われている平均分散法を採用。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出)を用いて自動で運用を行う投資一任サービスのことを指します。本運用シミュレーションは、一般的な運用アルゴリズムでROBOPROと同じETFを運用したと仮定したシミュレーション結果です。リスク許容度はやや高めとし、5%〜40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出しています。運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れリバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益に係る税金は考慮していません。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
※5 1か月、3か月、6か月のパフォーマンスは、それぞれ直近Nか月前の資産の評価額と2023年10月31日における評価額を元に計算しています。ROBOPROリリース来のパフォーマンスは、2020年1月15日の資産の評価額と2023年10月31日における評価額を元に計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
(参考)2023年10月のマーケットを振り返る
- 2023年10月の世界の株式市場は、米国での金融引き締めの長期化の見通しが意識され長期金利が上昇した結果、欧米を中心に下落基調となりました。
- 為替は米国の長期金利上昇を受けて日米の金利差拡大が意識される中で円安・ドル高が加速しました。
米国株式市場の指標であるS&P500は上旬、米国長期金利の動向に左右され一進一退の展開となりました。金利動向に左右される展開が続く中、中旬には企業の決算発表への期待から上昇する場面もありましたが、その後、中東問題が嫌気され下落しました。下旬に入っても、引続き、金利動向や企業決算の良し悪しに左右される展開となりましたが、中東情勢の悪化懸念などで上値は重く、前月比-2.19%で終えました。
日本株式市場の指標であるTOPIXは、上旬には米国の金融引き締め長期化懸念が和らいだこと等から一時的に上昇する場面がありましたが、中旬は中東問題等も重石となり一進一退の値動きでした。下旬は国内金利上昇への警戒感等から軟調に推移しましたが、日銀が金融政策を大幅修正する懸念が後退したことで僅かに反発し、前月比-2.99%で終えました。
欧州株式市場の指標であるストックス欧州600指数は、上旬、中国経済の先行き懸念と米国長期金利の先高感から下落する場面と、利上げ長期化観測が和らぎ上昇する場面があり、一進一退の動きでした。中旬には米国金利上昇一服で上昇する場面がありましたが、その後は中東問題や米国長期金利上昇等が嫌気され、前月比-3.67%で終えました。
中国株式市場の指標である上海総合指数は、上旬、国慶節による長期休場もあって限定的な動きとなりました。中旬も中東情勢や景気不安等が重荷となり、一進一退の展開となりました。下旬には景気懸念で1年ぶりの安値となる場面がありましたが、その後は良好な経済指標等を受けて堅調に推移し、前月比-2.94%で終えました。
インド株式市場の指標であるインドSENSEXは上旬、一進一退の推移となりました。中旬には、経済成長率予想の上方修正等が好感され上昇する場面もありましたが、その後はアジア市場の下落等が嫌気され下落基調となりました。下旬も海外株安や中東情勢が重石となり軟調に推移しましたが、海外株の上昇等を受けて反発、前月比-2.96%で終えました。
ドル・円為替相場は、前月に引き続き米国長期金利が大きく上昇し再び節目となる5%に迫り、日米金利差の拡大および日米の金融政策に対する方針の違いなどが意識され、月末には151円台まで円安・ドル高が加速、2022年10月以来の円安水準となりました。
米国10年債利回りは、中東を巡る地政学リスクの高まりにより投資家がリスク回避姿勢を強めたことから、利回り上昇に歯止めがかかる場面もありました。しかし米財政赤字拡大によって国債の需給が悪化していることや、堅調な米国景気と高インフレを背景にFRB(米連邦準備制度理事会)による金融引き締めの長期化が懸念されたことにより、中旬に特に上昇基調を強め、2007年以来16年ぶりの高水準となる場面もありました。
※各指数等のデータはBloombergが提供する値を用いています。表示されている値(米国10年債利回りを除く)は、小数第3位以下を切り捨てています。