今月のポイント
ROBOPRO 2023年11月のパフォーマンスは+3.31%
ROBOPRO(ロボプロ)は、AIによる予測技術を利用して期待リターンを算出し、積極的な利益の追求や損失の軽減を目指す資産運用サービスで、2023年11月30日でリリースから約3年10か月が経過しました。
以下は直近1か月である2023年10月31日から11月30日までのROBOPROと各資産の騰落率(円建て)です。(※2)
※1 ROBOPROの1か月のパフォーマンスは、直近1か月前の資産の評価額と2023年11月30日における評価額を元に計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。算出方法の詳細は※3をご確認ください。
※2 騰落率グラフは表示期間における各資産の価格を円建てで比較したものおよびROBOPROのリターンを示したものです。各資産の計算は、計算期間終了日時点の円建て資産額/計算期間開始日時点の円建て資産額-1で行っています。将来の傾向や運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
すべての投資対象資産が円建てで上昇
2023年11月のROBOPROが投資対象としている各資産の騰落率を見てみると(上の棒グラフ)、米国の長期金利低下を受けて日米の金利差縮小が意識される中で円高・ドル安傾向となり、円建ての評価にマイナスに影響しました。
しかし、米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測が後退したこと等から株式および不動産が大きく上昇するなど、ROBOPROの投資対象資産は円建てですべて上昇しました。
このような投資環境であった2023年11月における、ROBOPROの投資配分は以下でした。
新興国株式、ハイイールド債券、金、米国債券、米国株式の比率順に5資産を保有
円グラフは2023年10月27日時点での投資配分で、この比率で2023年11月を迎えました(※2023年10月27日の注文締切時刻までに注文したお客様に適用されます)。
今回の投資配分は、新興国株式および米国株式をわずかに増やし、株式の保有比率を全体の半分以上としていました。また、米国債券や金を減らした一方で、新たにハイイールド債券を組み入れ、新興国株式、ハイイールド債券、金、米国債券、米国株式の比率順に5つの資産を保有する投資配分となりました。前回と比較して株式の保有比率を増やし、また債券の中では相対的にリスクが高く、比較的高いリターンが期待できるハイイールド債券を組み入れることで、市場の上昇局面への対応力を強化しながらも、引き続き市場全体への警戒感を維持した攻守のバランスを取った投資配分となりました。
※円グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があります。
このような投資配分とした背景に関する当社の考察は2023年11月のリバランスレポート<ROBOPRO 11月の投資配分(10月27日変更実施)>を、現在の投資配分は<ROBOPRO 12月の投資配分(11月30日変更実施)>をご参照ください。
リスクオン相場の中、株式の比率を過半としていたこと等がプラス寄与
結果として、大きく上昇した株式の保有比率を高めていたことと、月間で最もリターンが低かった金の保有比率を減らしていたことがプラスに寄与しました。
しかし、株式の中では相対的に低いリターンに留まった新興国株式を最も多く保有していたことなどで上昇幅を伸ばせず、11月月間のパフォーマンスは+3.31%となりました。
リリース来のパフォーマンス
以下の折れ線グラフは「ROBOPRO(※3)(深緑線)」、「TOPIX(灰色線)」、そして「一般的なロボアドバイザー(※4)(緑線)」の比較グラフで、開始点はROBOPROがサービスをリリースした2020年1月15日です。
ROBOPROの運用実績は下のグラフのように推移しており、リリースされた2020年1月15日から2023年11月30日の期間で見ると、11月30日時点で+64.15%(※3)となりました。
また以下は、直近1か月、3か月、6か月、1年、3年およびROBOPROのリリース来のパフォーマンス比較です(※5)。
※3 ROBOPRO運用実績について
サービス開始当初(2020年1月15日)から表示日まで、または表示している期間において、ROBOPROサービスに投資していた場合のパフォーマンスです。運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益に係る税金は考慮していません。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
※4 「一般的なロボアドバイザー」の運用シミュレーションについて
「一般的なロボアドバイザー」とは、利用者がリスク許容度に応じて設けられている複数の運用コースの中から一つのコースを選択し、一般的な運用アルゴリズム(ノーベル賞を受賞した理論に基づき、金融機関において広く使われている平均分散法を採用。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出。)を用いて自動で運用を行う投資一任サービスのことを指します。本運用シミュレーションは、一般的な運用アルゴリズムでROBOPROと同じETFを運用したと仮定したシミュレーション結果です。リスク許容度はやや高めとし、5%~40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出しています。運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れリバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益に係る税金は考慮していません。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
※5 1か月、3か月、6か月、1年、3年のパフォーマンスは、それぞれ直近Nか月前およびN年前の資産の評価額と2023年11月30日における評価額を元に計算しています。ROBOPROリリース来のパフォーマンスは、2020年1月15日の資産の評価額と2023年11月30日における評価額を元に計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
(参考)2023年11月のマーケットを振り返る
- 2023年11月の世界の株式市場は、米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ観測が後退したことなどから、欧米を中心に上昇基調となりました。
- 為替は米国の長期金利が低下し、日米金利差の縮小が意識される中で、円高・ドル安傾向となりました。
米国株式市場の指標であるS&P500は、FRB(米連邦準備制度理事会)による金融引き締め長期化への懸念が後退して米国長期金利が低下傾向となったことで、概ね上昇基調となりました。
上旬には、FOMC(米連邦公開市場委員会)や雇用統計の結果を受け、金融引き締め長期化に対する過度な警戒感が薄れ、中旬にもインフレの鈍化などで、米国長期金利が低下したことが好感され、堅調に推移しました。下旬には、FOMC議事録で金融引き締めからの転換に慎重な姿勢が示されたことが嫌気される場面もありましたが、月末にかけてFRB高官から利上げ局面の終了を示唆する発言が相次いだことで小幅に上昇し、最終的に前月比+8.91%と約1年半ぶりの大幅高となりました。
また米国長期金利動向の影響を受けやすい米国不動産においても、金利低下が追い風となり大幅に上昇しました。
日本株式市場の指標であるTOPIXは上旬、米国における追加利上げ観測の後退を背景にした米国長期金利の低下等を受けて上昇基調となりました。中旬も、米国長期金利の上昇一服により、市場にリスクオン姿勢が広がり堅調に推移しました。下旬には高値警戒感から一時的に下落する場面がありましたが、好調な欧米の株式相場等が追い風となり、最終的に前月比+5.37%となりました。
欧州株式市場の指標であるストックス欧州600指数は上旬、米国長期金利の追加利上げ観測が後退したこと等が好感されて上昇基調となりました。中旬にはイタリア国債が大手格付け機関による格下げを回避したこと等で安心感が広がり、下旬には欧米主要中央銀行の利上げ局面終了観測等が好感されるなどで、最終的に前月比+6.44%となりました。
中国株式市場の指標である上海総合指数は上旬、当局の景気対策や米中の緊張緩和などへの期待で上昇しましたが、景気減速懸念で上値の重い展開となりました。中旬には再び景気支援策への期待で上昇する場面もありましたが、下旬は不動産市況の低迷など、中国景気の見通し不安が重石となり軟調に推移し、最終的に前月比+0.36%となりました。
インド株式市場の指標であるインドSENSEXは上旬、米国長期金利の低下等が好感され堅調に推移しました。中旬から下旬にかけては、一時的に経済指標の悪化が重石になる場面もありましたが、インドにおけるインフレ鈍化や成長予想の上昇修正、海外株式の堅調な推移および米国長期金利の低下等が好感され、最終的に前月比+4.87%となりました。
ドル・円為替相場は、米経済指標が相次いで鈍化傾向を示し、FRBの利上げ局面終了が意識されるとともに早期の利下げ観測も強まったことで、米国の長期金利が大きく低下したため、日米金利差の縮小が意識されてドル売り・円買いが優勢となり、一時的に146円台と2か月半振りの水準まで円高・ドル安が進みました。
米国10年債利回りは、月初めのFOMCにおいて政策金利が据え置かれ、その後も雇用統計や物価指標が相次いで鈍化傾向を示したことなどにより、利上げ局面の終了が意識され、また来年にも利下げに転じるとの観測も強まったことで大幅に低下して、月間としては12年ぶりの低下幅となりました。
各指数等のデータはBloombergが提供する値を用いています。表示されている値(米国10年債利回りを除く)は、小数第3位以下を切り捨てています。