今月のポイント
ROBOPRO2023年12月のパフォーマンスは-2.23%
ROBOPRO(ロボプロ)は、AIによる予測技術を利用して期待リターンを算出し、積極的な利益の追求や損失の軽減を目指す資産運用サービスで、2023年12月29日でリリースから約3年11か月が経過しました。
以下は直近1か月である2023年11月30日から12月29日までのROBOPROと各資産の騰落率(円建て)です。※1, 2
※1 ROBOPROの1か月のパフォーマンスは、直近1か月前の資産の評価額と2023年12月29日における評価額を元に計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。算出方法の詳細は※3をご確認ください。
※2 騰落率グラフは表示期間における各資産の価格を円建てで比較したものおよびROBOPROのリターンを示したものです。各資産の計算は、計算期間終了日時点の円建て資産額/計算期間開始日時点の円建て資産額-1で行っています。将来の傾向や運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
不動産を除く投資対象資産が円建てで下落
2023年12月は、米国のインフレ鈍化およびFRBによる利上げ終了観測等から欧米を中心に株価等が上昇して、米ドル建てではすべての投資対象資産が上昇しました。
しかし米国では金融引き締めからの転換が、日本ではマイナス金利政策の解除が意識されたことで、日米金利差が縮小して円高・ドル安が4.83%程度進み、円建ての騰落率にマイナスの影響を与え、投資対象資産は不動産を除き円建てですべて下落しました(上の棒グラフ)。
このような投資環境であった2023年12月における、ROBOPROの投資配分は以下でした。
新興国株式、金、米国債券の比率順に3資産を保有
円グラフは2023年11月30日時点での投資配分で、この比率で2023年12月を迎えました(※2023年11月30日の注文締切時刻までに注文したお客様に適用されます)。
今回の投資配分は、相対的にリスクが低い金と米国債券の比率を増やし、相対的にリスクが高い株式資産については、米国株式の比率を減らす一方で、新興国株式の比率はほぼ据え置きました。
また、前月に組み入れたハイイールド債券も大幅に減らし、結果的に、新興国株式、金、米国債券の3資産を中心(上記3資産の合計が99.2%)としつつ、わずかながらハイイールド債券や米国株式も保有するポートフォリオでした。
※円グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があります。表示の投資配分はリバランス実施時に目標とする比率であり、実際の運用では市場変動等の影響により表示の比率と乖離が発生することがあります。
このような投資配分とした背景に関する当社の考察は2023年12月のリバランスレポート<ROBOPRO 12月の投資配分(11月30日変更実施)>を、現在の投資配分は<ROBOPRO 2024年1月の投資配分(2023年12月29日変更実施)>をご参照ください。
円高・ドル安により保有資産が円建てですべてマイナスリターンに
為替が大幅に円高・ドル安となったことなどから、保有していた資産がすべてマイナスリターンとなりました。
結果的に、12月の月間パフォーマンスはドル建てでは+2.75%でしたが、円建てで相対的に下落幅が大きかった新興国株式や金の保有比率が比較的高かったことで、円建てでは-2.23%となりました。
リリース来のパフォーマンス
以下の折れ線グラフは「ROBOPRO※3(深緑線)」、「TOPIX(灰色線)」、そして「一般的なロボアドバイザー※4(緑線)」の比較グラフで、開始点はROBOPROがサービスをリリースした2020年1月15日です。
ROBOPROの運用実績は下のグラフのように推移しており、リリースされた2020年1月15日から2023年12月29日の期間で見ると、12月29日時点で+60.49%※3となりました。
また以下は、直近1か月、3か月、6か月、1年、3年およびROBOPROのリリース来のパフォーマンス比較です※5。
※3 ROBOPRO運用実績について
サービス開始当初(2020年1月15日)から表示日まで、または表示している期間において、ROBOPROサービスに投資していた場合のパフォーマンスです。運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益に係る税金は考慮していません。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
※4 「一般的なロボアドバイザー」の運用シミュレーションについて
「一般的なロボアドバイザー」とは、利用者がリスク許容度に応じて設けられている複数の運用コースの中から一つのコースを選択し、一般的な運用アルゴリズム(ノーベル賞を受賞した理論に基づき、金融機関において広く使われている平均分散法を採用。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出)を用いて自動で運用を行う投資一任サービスのことを指します。本運用シミュレーションは、一般的な運用アルゴリズムでROBOPROと同じETFを運用したと仮定したシミュレーション結果です。リスク許容度はやや高めとし、5%~40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出しています。運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れリバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益に係る税金は考慮していません。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
※5 1か月、3か月、6か月、1年、3年のパフォーマンスは、それぞれ直近Nか月前およびN年前の資産の評価額と2023年12月29日における評価額を元に計算しています。ROBOPROリリース来のパフォーマンスは、2020年1月15日の資産の評価額と2023年12月29日における評価額を元に計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
(参考)2023年12月のマーケットを振り返る
- 2023年12月の世界の株式市場は、米国のインフレ鈍化およびFRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ終了観測などから、欧米を中心に上昇基調となりました。
- 為替は、FRBによる利上げ終了およびその先の早期利下げを織り込む形で米国債利回りが低下したことに加え、日銀による金融政策変更等が意識され、円高・ドル安傾向となりました。
米国株式市場の指標であるS&P500は上旬、FRBによる利上げ局面が終了したとの市場観測を受けて上昇しましたが、利益確定売りもあり上値の重い展開でした。
しかし中旬には、FRBが2024年に利下げに転じるとの見方が広がり、米国経済の先行き不安が和らいだことで大きく上昇する展開となりました。
下旬に入っても上昇基調は続き、インフレ鈍化を示す経済指標の公表などから、早ければ2024年前半にもFRBが利下げに転じるとの観測も好感されたことでさらに高値を更新する場面もあり、最終的に前月比+4.42%となりました。
日本株式市場の指標であるTOPIXは上旬、日米の長期金利低下により上昇する局面や、米ハイテク株の下落が嫌気される局面があり一進一退の推移でした。中旬から下旬は、米国株式の上昇が好感される局面がありましたが、日米で金融政策の転換が近いとの観測が強まり急速に円高・ドル安が進み、輸出関連株等が売られたことなどが重石となり、最終的に前月比-0.35%となりました。
欧州株式市場の指標であるストックス欧州600指数は上旬、米国市場等の下落を受け小幅に下落する局面がありましたが、欧米の長期金利の先高観が薄れたことなどが好感され上昇基調でした。中旬から下旬にかけても、欧米の利下げ観測の高まりが市場の支えとなりましたが、クリスマス休暇で市場参加者が少なく動意薄となり、最終的に前月比+3.76%となりました。
中国株式市場の指標である上海総合指数は上旬、国内の景気先行き懸念などが重石となり軟調に推移しました。中旬には小幅に上昇する局面もありましたが、翌年の経済運営方針を決定する中央経済工作会議を受けて、政策期待が後退したことなどから下落基調となりました。下旬も下落基調が続き、一時年初来安値を更新しましたが、その後は月末にかけて自律反発や政策期待の高まりから上昇して、最終的に前月比-1.80%となりました。
インド株式市場の指標であるインドSENSEXは上旬、米国の利下げ期待や当局による景気対策への期待等から上昇しました。中旬から下旬にかけても欧米株式の上昇、経済成長予想の上方修正、アジア市場の堅調さなどが好感されて上昇基調で推移し、最終的に前月比+7.83%となりました。
ドル・円為替相場は、FOMCで早期利下げ観測が強まったことなどから米国の長期金利が大きく低下、日銀による早期のマイナス金利解除観測なども相まって、日米金利差が縮小して、ドル売り・円買いが優勢となり、最終的に141円台と前月比で4.83%円高・ドル安が進みました。
米国10年債利回りは、FOMC後の記者会見でパウエルFRB議長がFOMCにおいて利下げ開始時期について議論した旨を言及したことから早期利下げの観測が強まりました。またその後もインフレ鈍化を示す指標等が公表されたことなどから、一時3.8%割れの水準を付けるなど、7月以来約5か月ぶりとなる水準に低下しました。
各指数等のデータはBloombergが提供する値を用いています。表示されている値(米国10年債利回りを除く)は、小数第3位以下を切り捨てています。