今月のポイント
ROBOPRO 2024年9月のパフォーマンスは+0.76%
ROBOPRO(ロボプロ)は、AIによる予測技術を利用して期待リターンを算出し、積極的な利益の追求や損失の軽減を目指す資産運用サービスで、2024年9月30日でリリースから約4年8か月が経過しました。
以下は直近1か月である8月30日から9月30日のROBOPROと各資産の騰落率(円建て/ドル建て)です。(※2)
※1 ROBOPROの1か月のパフォーマンスは、円建ておよびドル建ての直近1か月前の資産の評価額と2024年9月30日における評価額をもとに計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。算出方法の詳細は※3をご確認ください。
※2 騰落率グラフは表示期間における各資産の価格を円建ておよびドル建てで比較したものおよびROBOPROのリターン(円建て/ドル建て)を示したものです。各資産の計算は、「(計算期間終了日時点の資産額/計算期間開始日時点の資産額)-1」で行っています。将来の傾向や運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
投資対象資産では新興国株式、金、不動産が円建てでもプラスに
2024年9月の世界の株式市場を振り返ると、上旬は米国半導体企業の株価下落が各国に波及し主要国の株式指数は軟調に推移しました。中旬には米国のFRB(連邦準備制度理事会)が利下げを決定し、その幅が想定の0.25%を超える0.50%となったことが景気後退に対し先手を打ったと評価され、米国を中心に株式市場は上昇しました。一方、月末には、日本では事実上の次期首相を選出する自民党総裁選が行われ、相対的に日銀の利上げに寛容と見られている石破氏が勝利したことを受け円高・株安となりました。また根強い景気減速不安が続いた中国では当局の大規模な景気刺激策が好感され、下旬にかけて株式市場は急激に上昇しました。
為替は、米国のFRBの利下げを織り込む中で米国長期金利が低下して円高・ドル安となりましたが、実際に利下げが行われた後には長期金利が反発したことで円安・ドル高に切り替わりました。しかし月末には日本の自民党総裁選の影響で再度円高・ドル安が進みました。
結果として、すべての投資対象資産がドル建てで上昇しましたが、円高・ドル安の影響により、円建てでは新興国株式、金、不動産のみがプラスリターンとなりました。
このような投資環境であった2024年9月における、ROBOPROの投資配分は以下でした。
米国株式、金、米国債券、不動産、ハイイールド債券の比率順に5資産を保有
円グラフは8月29日時点での投資配分です(※8月29日の注文締切時刻までに注文したお客様に適用されます)。
8月29日時点の投資配分では、不動産を約32%から約12%に、ハイイールド債券を約7%から約2%に減少させました。一方で米国株式を約15%から約36%に増加させて、金と米国債券を僅かに増加させました。全体では、米国株式、金、米国債券、不動産、ハイイールド債券の比率順に5資産を保有するポートフォリオとなりました。
結果として、不動産の一部を米国株式に大きく振り分けるも比較的リスクが高い資産である両資産で比率を5割弱としながら、金や債券を5割強保有しており、攻守のバランスを維持しつつも攻めの資産の中で比率を組み替えた投資配分としました。
※円グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があり、また、文中で比率の合算を表記している場合の合算値と一致しないことがあります。表示の投資配分はリバランス実施時に目標とする比率であり、実際の運用では市場変動等の影響により表示の比率と乖離が発生することがあります。
このような投資配分とした背景に関する当社の考察は2024年9月のリバランスレポート<ROBOPRO 2024年9月の投資配分(8月29日変更実施)>を、現在の投資配分は<ROBOPRO 2024年10月の投資配分(9月30日変更実施)> をご参照ください。
円高・ドル安が続く中でも月間でプラスリターンを確保
各投資対象資産の月間騰落率上位3銘柄をドル建てでみると、新興国株式、金、不動産の順で上昇しました。月末に急騰した新興国株式を保有していなかったことは上昇を限定してしまいましたが、円建てでも上昇した金と不動産を保有していたことがプラスに寄与しました。
結果としてROBOPROは、円高・ドル安基調が継続し円建てでのリターンを下押しする9月の環境下においても、月間では+0.76%のプラスリターンを確保することができました。
リリース来のパフォーマンス
以下の折れ線グラフは「ROBOPRO(※3)(深緑線)」、「TOPIX(灰色線)」、そして「一般的なロボアドバイザー(※4)(緑線)」の比較グラフで、開始点はROBOPROがサービスをリリースした2020年1月15日です。ROBOPROの運用実績は下のグラフのように推移しており、リリースされた2020年1月15日から2024年9月30日までの期間で見ると、9月30日時点で+89.80%(※3)となりました。
また以下は、直近1か月、3か月、6か月、1年、3年およびROBOPROのリリース来のパフォーマンス比較です(※5)。
※3 ROBOPRO運用実績について
サービス開始当初(2020年1月15日)から表示日まで、または表示している期間において、ROBOPROサービスに投資していた場合のパフォーマンスです。運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益に係る税金は考慮していません。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
※4 「一般的なロボアドバイザー」の運用シミュレーションについて
「一般的なロボアドバイザー」とは、利用者がリスク許容度に応じて設けられている複数の運用コースの中から一つのコースを選択し、一般的な運用アルゴリズム(ノーベル賞を受賞した理論に基づき、金融機関において広く使われている平均分散法を採用。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出。)を用いて自動で運用を行う投資一任サービスのことを指します。本運用シミュレーションは、一般的な運用アルゴリズムでROBOPROと同じETFを運用したと仮定したシミュレーション結果です。リスク許容度はやや高めとし、5%~40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出しています。運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れリバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益に係る税金は考慮していません。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
※5 1か月、3か月、6か月、1年、3年のパフォーマンスは、それぞれ直近Nか月前およびN年前の資産の評価額と2024年9月30日における評価額を元に計算しています。ROBOPROリリース来のパフォーマンスは、2020年1月15日の資産の評価額と2024年9月30日における評価額をもとに計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
(参考)2024年9月のマーケットを振り返る
米国株式市場の指標であるS&P500は上旬に、強弱入り混じる経済指標の発表が続き、景気の方向感を見定められず懸念が高まる中で、半導体企業の株価が下落し、軟調に推移しました。
中旬に、FRBが9月18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)にて0.50%の利下げを実施したことで、雇用や物価に配慮した金融政策運営による景気の軟着陸等が想起され、上昇基調となりました。
0.25%と予想されていた9月の利下げ幅が拡大した上に、FRB当局者による年末金利見通し平均値も引き下げられ、市場はさらなる利下げ期待を高めました。そのような市場環境の中、下旬も連日最高値を更新しながらの上昇が続き、最終的に前月比+2.01%となりました。
日本株式市場の指標であるTOPIXは上旬に、米国の株安や円高・ドル安等の影響で下落しました。中旬に、米国景気懸念の後退による米国株高や為替が円安・ドル高に転じたこと等で上昇基調となりました。月末には、自民党総裁選が行われ、相対的に日銀の利上げに寛容と見られている石破氏の勝利を受けて再び円高・ドル安が進むとともに、TOPIXは急落し、最終的には前月比-2.45%となりました。
欧州株式市場の指標であるストックス欧州600指数は上旬に、米国株安等で下落しましたが、中旬は米国株式市場の回復やECB(欧州中央銀行)による利下げ実施等を受けて上昇しました。下旬は中国の株高等が好感され上昇しましたが、欧州の景気減速懸念が重石となり、最終的には前月比-0.41%となりました。
中国株式市場の指標である上海総合指数は上旬から、国内の根強い景気不安および米国半導体企業の株安やEV(電気自動車)を巡る欧米との対立激化等により軟調に推移しました。しかし下旬に、当局の預金準備率の引き下げや不動産支援施策(ローン金利切り下げや購入規制の緩和)をはじめとする景気刺激策等が好感され、金融・不動産株を中心に上昇しました。特に月末にかけては急騰して、最終的に前月比では+17.39%となりました。
インド株式市場の指標であるインドSENSEXは上旬、米国や中国の景気懸念等の影響を受けて小幅に下落しましたが、中旬からは、米国の株高、インドの利下げ期待や中国の株高等が好感されて上昇に転じて、最終的に前月比+2.34%となりました。
ドル/円為替相場は上旬に、日銀の年内追加利上げ見通しが高まり、米国では利下げの織り込みが進んだことで日米金利差が縮小し、円高・ドル安が進みました。中旬にFRBが利下げを決定すると米国金利の反転や米景気軟着陸期待が生じ、また日銀の9月利上げ見送り等からも日米金利差が拡大に転じ、円安・ドル高となりました。月末に日本の自民党総裁選で、相対的に利上げに寛容とされる石破氏が勝利すると急激な円高・ドル安となり、最終的に前月比で1.73%の円高・ドル安となりました。
米国10年債利回りは、米国利下げの織り込みに伴い低下しましたが、利下げ決定後は反転し、最終的に3.78%付近で9月を終えました。
金は米国をはじめとした主要国の相次ぐ利下げ等から相対的な投資妙味を高め、前月に続き上昇しました。
各指数等のデータはBloombergが提供する値を用いています。表示されている値(米国10年債利回りを除く)は、小数第3位以下を切り捨てています。
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