今月のポイント
ROBOPRO 2024年10月のパフォーマンスは+5.17%
ROBOPRO(ロボプロ)は、AIによる予測技術を利用して期待リターンを算出し、積極的な利益の追求や損失の軽減を目指す資産運用サービスで、2024年10月31日でリリースから約4年9か月が経過しました。
以下は直近1か月である9月30日から10月31日のROBOPROと各資産の騰落率(円建て/ドル建て)です。(※2)
※1 ROBOPROの1か月のパフォーマンスは、円建ておよびドル建ての直近1か月前の資産の評価額と2024年10月31日における評価額をもとに計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。算出方法の詳細は※6をご確認ください。
※2 騰落率グラフは表示期間における各資産の価格を円建ておよびドル建てで比較したものおよびROBOPROのリターン(円建て/ドル建て)を示したものです。各資産の計算は、「(計算期間終了日時点の資産額/計算期間開始日時点の資産額)-1」で行っています。将来の傾向や運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
円安・ドル高の影響ですべての投資対象資産がプラスリターンに
2024年10月の世界の株式市場を振り返ると、米国では堅調な経済指標や大手ハイテク企業を中心とした好業績への期待等から堅調に推移していましたが、月末に一部で市場予想を下回る企業決算が公表されたこと等が嫌気され下落しました。また、低調な経済指標の公表が相次いだ欧州やインド等、主要国の多くの株式市場が下落しました。
為替は、経済指標の底堅さから米国の景気悪化への懸念が後退したことや、11月に控えていた米大統領選で政策がインフレを予測させるトランプ氏が優勢となりつつあったことから、米国長期金利が上昇、日米金利差が拡大して円安・ドル高が進みました。また、下旬には日本の総選挙で政権与党の議席数が過半数割れとなったこと等から、円安・ドル高の傾向が強まりました。
結果として、円安・ドル高がプラスに寄与して、すべての投資対象資産が円建てで上昇しました。特に一般的に安全資産とされる金は、中東情勢の緊迫や米大統領選の不透明感等から+10.38%と大幅高となりました。
このような投資環境であった2024年10月における、ROBOPROの投資配分は以下でした。
不動産、金、米国株式を中心に5資産を保有
円グラフは9月30日時点での投資配分です(※9月30日の注文締切時刻までに注文したお客様に適用されます)。
9月30日時点の投資配分では、前月との比較において米国株式を約36%から約26%に、米国債券を約20%から約7%に減少させ、ハイイールド債券も僅かに減少させました。一方で不動産を約12%から約35%に増加させて、金を僅かに増加させました。
不動産、金、米国株式の3資産を中心(上記3資産の合計が91.8%)としつつ、米国債券、ハイイールド債券をそれぞれわずかに保有するポートフォリオとなりました。
結果として、米国株式と米国債券を不動産に一部組み替えて、比較的リスクが高い資産である不動産と米国株式を全体の6割強、金と債券を4割弱保有する、より積極的な投資配分へと変更しました。
※円グラフの各数値は小数第2位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を合算しても100%にならず誤差が生じる場合があり、また、文中で比率の合算を表記している場合の合算値と一致しないことがあります。表示の投資配分はリバランス実施時に目標とする比率であり、実際の運用では市場変動等の影響により表示の比率と乖離が発生することがあります。
このような投資配分とした背景に関する当社の考察は2024年10月のリバランスレポート<ROBOPRO 2024年10月の投資配分(9月30日変更実施)>を、11月の投資配分は<ROBOPRO 2024年11月の投資配分(10月29日変更実施)> および<ROBOPRO 2024年11月 臨時リバランスの投資配分(11月7日変更実施)> をご参照ください。
大幅高となった金の保有が奏功して、2024年夏の下落局面から回復
各投資対象資産の月間騰落率をドル建てでみると、投資対象資産が総じて下落した中、金だけは上昇しました。円安・ドル高の影響を受けて、結果的に円建てではすべての投資対象資産が上昇しましたが、金は+10.38%と大幅高となりました。
ROBOPROは、株式等多くの資産が軟調に推移した10月においても、金を比較的多く保有していたことがプラスに寄与して、月間では+5.17%のリターンを確保することができました。
2024年夏の下落局面で下落を抑え、順調に回復
以下のグラフは、ROBOPROの投資対象資産である米国株式が、2024年夏の下落相場前に高値を記録した2024年7月10日を基準として、10月31日までのROBOPROと一般的なロボアドバイザーおよび米国株式のパフォーマンス推移を示しています。(※3,4,5)
10月31日時点でも、一般的なロボアドバイザーや米国株式は依然として元の水準を回復していなかった一方で、ROBOPROは既に10月4日にはプラス圏に転じており、10月31日には+3.04%となりました。
振り返ると、米国株式は最大で17.27%の下落(2024年8月5日)を記録しましたが、ROBOPROは相対的に下落が小幅に留まった不動産や金を比較的多く保有していたことで、下落幅を最大でも8.49%に抑えていました。
その後も、株式等と比較して堅調に推移した不動産や金を比較的多く保有し続けたことで、相場の回復局面でもしっかりとリターンを獲得することができました。(過去のパフォーマンスの詳細については、各月のパフォーマンスレポートをご確認ください。)
このようにAI予測を活用した機動的な投資配分の変更がプラスに寄与した結果、ROBOPROは一般的なロボアドバイザーや米国株式に比べて早期に今夏の下落局面から回復できました。
※3 過去の実績は将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。AI予測の好事例のみを示しており、市場動向等によっては上記のような運用ができない場合があります。
※4 グラフの「米国株式」は、本レポート作成時点でROBOPROが投資対象としていた米国ETFについて、「(2024年10月31日時点の円建て資産額/同年7月10日時点の円建て資産額)-1」で計算したものを%表示しています。グラフ上で表示している割合は年率ではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。
※5 2024年7月10日から同年10月31日までROBOPROおよび一般的なロボアドバイザーに投資していた場合の運用実績(※6,7)です。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。
リリース来のパフォーマンス
以下の折れ線グラフは「ROBOPRO(※6)(深緑線)」、「TOPIX(灰色線)」、そして「一般的なロボアドバイザー(※7)(緑線)」の比較グラフで、開始点はROBOPROがサービスをリリースした2020年1月15日です。ROBOPROの運用実績は下のグラフのように推移しており、リリースされた2020年1月15日から2024年10月31日までの期間で見ると、10月31日時点で+99.61%(※6)となりました。
また以下は、直近1か月、3か月、6か月、1年、3年およびROBOPROのリリース来のパフォーマンス比較です(※8)。
※6 ROBOPRO運用実績について
サービス開始当初(2020年1月15日)から表示日まで、または表示している期間において、ROBOPROサービスに投資していた場合のパフォーマンスです。運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益に係る税金は考慮していません。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
※7 「一般的なロボアドバイザー」の運用シミュレーションについて
「一般的なロボアドバイザー」とは、利用者がリスク許容度に応じて設けられている複数の運用コースの中から一つのコースを選択し、一般的な運用アルゴリズム(ノーベル賞を受賞した理論に基づき、金融機関において広く使われている平均分散法を採用。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出。)を用いて自動で運用を行う投資一任サービスのことを指します。本運用シミュレーションは、一般的な運用アルゴリズムでROBOPROと同じETFを運用したと仮定したシミュレーション結果です。リスク許容度はやや高めとし、5%~40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出しています。運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れリバランスにより再投資したと仮定して計算しています。分配金やリバランス時の譲渡益に係る税金は考慮していません。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
※8 1か月、3か月、6か月、1年、3年のパフォーマンスは、それぞれ直近Nか月前およびN年前の資産の評価額と2024年10月31日における評価額を元に計算しています。ROBOPROリリース来のパフォーマンスは、2020年1月15日の資産の評価額と2024年10月31日における評価額をもとに計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
(参考)2024年10月のマーケットを振り返る
米国株式市場の指標であるS&P500は中旬にかけて、中東情勢の緊迫化やそれに伴う原油高等が重荷となったものの、雇用指標等の強い経済指標を受けて経済がソフトランディング(軟着陸)もしくは景気減速が発生しないノーランディングに向かうとの期待感が高まり、最高値を連日更新するなど堅調に推移しました。
一方で下旬は、米金利が上昇を続けたことで、債券に対する株式の割高感が意識されたこと等が響き小幅に下落しました。また、月末には大手ハイテク企業の決算発表が市場の期待に届かなかったこと等で、期待感で値上がりしていたハイテク株を中心に幅広く下落し、月間の上昇分を全て打ち消して、最終的に前月比-0.98%となりました。
日本株式市場の指標であるTOPIXは上旬に、日銀による早期利上げ観測が後退したことに伴う円安・ドル高の進展や米国の景気不安の後退等から上昇しましたが、下旬にかけては衆議院議員選挙を控えた不透明感等から下落しました。政権与党が過半数を割る結果となったものの、事前の織り込みが進んでいたこと等から反発し、最終的には前月比+1.87%となりました。
欧州株式市場の指標であるストックス欧州600指数は上旬から、フランスの政治的な混乱やドイツやフランスをはじめ各国景気に対する懸念等の悪材料と、ECB(欧州中央銀行)が実施した利下げ等の好材料が入り混じり、小幅に推移しました。しかし、月末に米国のハイテク株安を受けて下落して、最終的には前月比-3.34%となりました。
中国株式市場の指標である上海総合指数は、9月後半に当局が実施した景気の刺激策等を受けて、月初の大型連休明けに2年7か月ぶりの高値を付けました。その後は当局による追加の支援策の実施と更なる期待が続いたことが下支えとなりましたが、急騰に対する反動売りや根強い景気の後退懸念等から下落圧力がかかり、最終的に前月比-1.69%となりました。
インド株式市場の指標であるインドSENSEXは上旬に、弱い経済指標や緊迫する中東情勢への警戒感等を受けて大幅に下落しました。さらにインフレ率の加速により利下げ観測が後退したことや、外国人投資家の連日の売り越し等が重石となり、月間を通して下落基調が続いたことで最終的に前月比-5.82%となりました。
ドル/円為替相場は、米国の強い雇用統計等を受けて米金利が上昇した一方で、日本では石破自民党新総裁が利上げに慎重な発言をしたこと等から日米金利差が拡大し、円安・ドル高基調が月末まで続きました。月末の日銀金融政策決定会合では、金利を据え置きつつも利上げに前向きな見解を示したことで円は対ドルで上昇しましたが、最終的には前月比で5.84%の円安・ドル高となりました。
米国10年債利回りは、米景気不安の後退による利下げペースの緩和観測やトランプ氏が大統領選で優勢になりつつあることへの警戒感から上昇して、最終的に4.28%付近で10月を終えました。
金は中東情勢の緊迫や米大統領選の不透明感等から安全資産として連日最高値を更新する場面があり、前月に引き続き上昇しました。
各指数等のデータはBloombergが提供する値を用いています。表示されている値(米国10年債利回りを除く)は、小数第3位以下を切り捨てています。
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